先進機能満載の人気モデルがフェイスを刷新「日産デイズ ハイウェイスター/デイズ」【最新軽自動車 車種別解説 NISSAN DAYZ Highway STAR /DAYZ】

日産が初めて軽自動車専用に開発した技術の形が「デイズ ハイウェイスター/デイズ」だ。高度な技術力は軽自動車の新たな進化を見せつけた。安全技術や走行性能だけでなく、23年のマイナーチェンジではフロントフェイスがよりシャープになり、インテリアの質感も向上。ボディカラーも21色が用意されユーザーの今にフィットするセレクトが可能だ。
REPORT:青山尚暉(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:新 唯

最高水準の先進運転支援機能 後席居住空間はクラス最大級

日産デイズ/デイズハイウェイスター最大の特徴は、日産が初めて軽自動車専用のプラットフォーム、エンジン、CVT、電子アーキテクチャーなどのすべてを新規開発し、さらに高速道路単一車線での運転支援技術=プロパイロットや緊急通報オペレーターサービス=SOSコール(ドコモの通信機器からオペレーターに接続)などを採用したところ。そうした高度な技術を盛り込むには、日産の自社開発が不可欠だったのだ。

エクステリア

2023年9月のマイナーチェンジでデジタルVモーショングリルを新たに採用。バンパーやホイールのデザインも刷新され、ボディカラーに6色の新色が追加された。最小回転半径は4.5m〜4.8m。

軽自動車界に新風を巻き起こしたデイズは、もちろん大ヒット。それまで軽自動車に見向きもしなかったユーザーが軽自動車に注目し始めたきっかけになった一台でもあり、その商品性の高さから自動車の専門家が選ぶ2019-20200日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞を受賞したほどだ。ラインナップは標準車と専用外装を備えたハイウェイスターの2タイプで、プロパイロットはハイウェイスターのプロパイロットエディションのみに用意。運転に不慣れな人やあおり運転被害に遭ったときにも安心できるSOSコールが「S」を除くグレードにオプションまたは標準装備されている点も心強いポイントだ。

乗降性

パワートレインは自然吸気とハイウェイスターのみに搭載されるターボの2種。ハイウェイスターはマイルドハイブリッドとなり、先代で不満だった自然吸気の動力性能不足を解消しているのも特筆点だ。エクステリアは23年9月のマイナーチェンジでフェイスを一新。日産最新のデジタルVモーションを採用し、より精悍な印象になった。広いインテリアもシート地を変更。内装全体の質感向上にひと役買っている。

インストルメントパネル

マイナーチェンジを機に助手席前のトレーを深くし、小物を置きやすく改善。カップホルダーにもフラップが追加された。最大9インチのナビゲーションは販売店オプション。

同時に、軽自動車初の後側方車両検知警報(BSW)と後退時車両検知警報(RCTA)をプロパイロットエディションに標準装備。インテリジェントエマージェンシーブレーキは自転車に乗った人の検知が可能になるなど、先進運転支援機能は今や軽自動車のトップレベルと言っていい。そんなデイズ/デイズハイウェイスターを走らせてみると、まずは前席のふんわりとしたソファ感覚の掛け心地と、運転のしやすさを実感できる全方向の視界の良さが褒められる。

居住性

スマートシンプルハイブリッドの自然吸気モデルであれば、アクセルレスポンスに優れ、気持ちのいい加速を開始。小回り性の良さもあり、走りやすさは文句なしと断言できる。フットワークの安心感も素晴らしく、山道でさえ爽快かつ安心して走ることができるほどだ。一方ターボは、一家に一台のファーストカーになりうる動力性能、高速巡行時の車内の静かさ、自然吸気モデルの14インチに対して15インチタイヤを履くこともあって、乗り心地の良さはそのままに、より安定感としっかり感ある走りを披露。

うれしい装備

荷室には広くて実用的な床下収納を装備。撮影車は実測で約290㎜もの深さがあった。持ち上げたデッキボードを固定するロープも完備。
月間販売台数    3387台(23年7月~12月平均値)
現行型発表      19年3月(マイナーチェンジ 23年9月)
WLTCモード燃費   23.3 ㎞/ℓ※「ハイウェイスターX」系のFF車

ラゲッジルーム

時に軽自動車に乗っていることを忘れせるほどの走りの質感があり、後席居住空間も、クラス最大級のゆとりを含む商品力を備えている。唯一、死角があるとすれば、それは後席を格納してラゲッジスペースを拡大したときに約75㎜もの段差ができること(ライバルの多くはほぼフラット)ぐらいだろうか。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.157「2024 軽自動車のすべて」の再構成です。

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