マイチェン前のヴェゼルオーナーに朗報!専用ホイールは「剛性」で走りをグレードアップさせる

新作のヴェゼル専用アルミホイールはマイナーチェンジ前モデルに装着しても効果は体感できる。
新車ディーラーで扱う純正アクセサリーと聞くと、新車購入時にしか購入・装着できない…と思っているかもしれないが、それは誤解だ。先ごろマイナーチェンジしたヴェゼルに向けて開発された新作の18インチアルミホイールはマイナーチェンジ前のヴェゼルにも装着することができる。そして、ヴェゼル専用にに設計されたアルミホイールの効果は、マイナーチェンジ前でもあっても同様に味わうことができるのだった。

REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:井上 誠(INOUE Makoto)

純正アクセサリーは新車時でなくとも装着できる

アルミホイールとテールゲートスポイラーの装着以外は同じ仕様のハイブリッドAWDで比較試乗を行った。

自動車の純正アクセサリーといえば、ディーラーで購入、納車時には装着していることが前提と思っているかもしれないが、じつはそんなことはない。たしかに生産ラインで装着するラインオプション(メーカーオプション)については後付け不可となっていることが多い。しかしながら、ディーラーオプションと呼ばれる純正アクセサリーについては納車後に装着することができる。

また、多くの乗用車においてマイナーチェンジといってモデル途中で改良を実施することはあるが、マイナーチェンジに合わせて開発された純正アクセサリーであっても場合によってはマイナーチェンジ前のモデルに取り付けられることもある。

その好例といえるのが、ホンダアクセスが新型ヴェゼル(マイナーチェンジ後)に合わせて誕生させたアルミホイール「MS-050」である。

ホンダアクセスのコンプリートカーに「Modulo X」という名前が使われていることはご存知だろうが、このアルミホイールにつけられた”MS”というアルファベットはModulo Sportsを意味するもの。まさに走りを磨くスポーツホイールとして生まれている。しかも、ヴェゼル専用に剛性バランスを最適設計されたアルミホイールなのである。

幸い、ヴェゼルはマイナーチェンジ前後において114.3のPCDで、 5穴といったホイールに関するスペックは変わっていない。そのため、18インチ×7 1/2J、インセット55mmのMS-050はマイナーチェンジ前のヴェゼルにも装着することができる。しかも、ヴェゼル専用設計にしたバランスの良さも同様に味わうことができるという。

そこで、マイナーチェンジ前のヴェゼル(2021年式のハイブリッドAWD)を2台揃え、新作アルミホイール「MS-050」の効果を比較試乗で確認してみることにした。なお、タイヤも標準装着のミシュランで統一した状態となっていた。

マイナーチェンジに合わせて誕生した専用設計アルミホイール

新作ホイール「MS-050」のコンセプトは、タイヤを使い切るためにはホイールもサスペンションパーツであるというものだ。

従来的には、アルミホイールはとにかく軽量で、強度が高いほど良いという考え方が主流だが、ホンダアクセスのアプローチは異なる。ホイール剛性をコントロールすることにより、コーナリング中などに、あえて”しならせる”ことによりタイヤの接地面圧を高めるという独自の思想により、このアルミホイールは設計されている。

適切な剛性を求めるためには、車両とのバランスも重要なファクターとなる。だからこそ車種ごとの専用設計とする必要がある。前述したようにヴェゼルについてはマイナーチェンジ前後でホイールに関するスペックは共通で、車両バランスも同等といえる。そのため、マイナーチェンジに合わせて登場した新作ホイールがマイナーチェンジ前のモデルにもマッチングするというわけだ。

前置きはさておき、さっそくワインディング的なカントリーロードで比べてみると、ひとつ目のコーナーで違いは感じられた。ハンドルを切り始めから、タイヤのしっとり感が異なるのだ。明らかに「MS-050」を履いているほうが、横方向のグリップが立ち上がるタイミングがはやい。街乗りの速度域なので絶対的なグリップの違いを感じるほどではなかったが、ハンドリングの気持ちよさという感性評価の部分において明確な違いがあった。

ホイールを変えることで、フロントはもちろん、リヤタイヤの接地フィールも良くなっているのが印象的。
標準装着のアルミホイールもけっして重いわけではなく、デザイン的にも”イケてる”のだが…。

高速道路とワインディングで比較した結果は明確だった

空力とホイールの効果はスタビリティの高さ、安心感を生み出している。

つづいて、高速道路で走りを比べてみる。

最初に違いを感じたのはジャンクションの大きなコーナーを曲がっているとき。ホンダアクセスの純正アクセサリー装着車では明らかな後輪接地のよさがあった。これには専用アルミホイールの効果だけでなく、実効空力から生み出されたテールゲートスポイラーの整流効果も寄与していることは間違いない。

ヴェゼルのAWDはもともと直進安定性に優れている傾向にあるため、高速巡行ではホイールやスポイラーによる走り味の違いはそれほど感じられない、というのが正直な感想だったが、車線変更での動き出しやレーンチェンジ後の落ち着きのよさは、ホイールの剛性バランスとスポイラーの空力による効果といえそうだ。

アップデートに必要なパーツ代は25万円弱で済む

純正アクセサリーのアルミホイールやスポイラーは主にドレスアップ効果を期待するもの…と思い込んでいるかもしれないが、少なくともヴェゼル用のアルミホイール「MS-050」とテールゲートスポイラーについては、たしかな機能パーツであることが確認できた。

それぞれの価格は、ホイールが4万6838円/本で、テールゲートスポイラーが5万5000円。タイヤの組み換えなど装着の工賃は別途必要になるが、部品代だけでいえば25万円以下で、ここまで走り味がソフィスティケートされるのであればコストパフォーマンスが高いと感じるのではないだろうか。

ちなみに、ホンダアクセスの純正アクセサリーは全国のホンダカーズや認定中古車店U-Selectにて購入できる。マイナーチェンジ前のヴェゼルに乗っていて、走りをアップデートしたいならば、そうした販売店に相談してみるのもよさそうだ。

ヴェゼル専用アルミホイールは「しなり」を効かせた設計がポイント。価格は4万6838円/本(写真はマイナーチェンジ後ヴェゼルに装着した状態)
実効空力を実現するテールゲートスポイラーは5万5000円(写真はマイナーチェンジ後ヴェゼルに装着した状態)

キーワードで検索する

著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…