スバル・インプレッサAdvance e-BOXERで900km走った 乗り心地は? 燃費は?

インプレッサのe-BOXER モデル末期でも魅力は健在か?

スバル・インプレッサ SPORT Advance車両価格○281万6000円(メーカーop18万7000円)合計300万3000円
現行スバル・インプレッサは、2016年10月デビューだから、丸5年が経過したことになる。SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)採用の第一弾がインプレッサで、日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-2017でイヤーカーにも輝いている。2.0ℓ水平対向4気筒エンジンにマイルドハイブリッド・e-BOXERを搭載したAdvanceをあらためて900kmドライブした。インプレッサの魅力は健在か?
紅葉シーズンの岐阜山中。インプレッサは快調に走った。

久しぶりにドライブしたインプレッサは、5ドアハッチバックのインプレッサSPORT Advance。FB20型2.0ℓ水平対向4気筒エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」である。

スバルの電動化は、最近ではトヨタと共同開発しているBEV(バッテリーEV)のソルテラに注目が集まるが、電動スバルのベースラインを支えているのは、このe-BOXERだ。

インプレッサにe-BOXERが搭載されたのは、2020年10月。チェーン式CVTであるリニアトロニックの後端に、MA1型交流同期モーターを組み合わせた、いわゆるマイルドハイブリッドだ。12Vで駆動されるモーターの出力は13.6ps(10kW)/65Nm。e-BOXERの味付けは、もちろん燃費改善もあるのだが、どちらかというと「電気ターボ的」な使い方だ。

バッテリー容量にもよるが、e-BOXERのおかげで、アイドルストップからの再始動も滑らかだし、エンジン始動なしでモーター駆動もできる。XVに初搭載された2018年10月当時は、それなりにe-BOXERの効果に対して驚きもあったが、わずか3年で急速に電動化が進んだいま、正直言って12V駆動10kW/65Nmでは物足りなさを感じる。

アイドルストップからアクセルをそっと踏み込むと、エンジンはかからずモーターがクルマを前に進めてくれる。これはいい。ところが、そっとアクセルを踏んでいると、エンジン始動時の振動はそれなりにあって、ちょっとがっかりする。

最新のVWゴルフ8の48Vマイルドハイブリッド(BSG=ベルトドリブン・スタータージェネレーターを使う)は、13ps/62Nmだからe-BOXERと出力は大差ないが、エンジンの作動・非作動をドライバーに感じさせない。

マツダのM-Hybridは24Vのマイルドハイブリッドで、6.9ps/49NmのBSGを使うが、エンジンの再始動はe-BOXERより上手にこなす。

全長×全幅×全高:4475mm×1775mm×1515mm(ルーフアンテナ含む) ホイールベース:2550mm
最低地上高:135mm ステアリングギヤ比13.5:1 トレッド:F1540/R1545
車重:1530kg 前軸軸重910kg 後軸軸重620kg

すっかりモーター駆動とダウンサイジングターボに慣れた身からすると、2.0ℓの自然吸気水平対向エンジン(145ps/188Nm)とe-BOXERの組み合わせに強烈なパンチ力は感じない。燃費に振るか、動力性能に振るか、いまのe-BOXERでは少し中途半端な気がする。e-BOXERを電動ターボ代わりに使うなら、もっと「圧」を高めたし、そもそもターボならリアルにエンジンをターボチャージャーで過給した方がいい。

というのも、現在5年が経過した現行インプレッサは、おそらく2022年秋くらいには新型に切り替わると予想されるからだ。おそらく次期型は、1.5ℓ水平対向DOHCターボ、レヴォーグでデビューした1.8ℓのブランニューエンジン、CB型リーンバーンターボの1.5ℓ版が載せられるはず。

エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
 エンジン型式:FB20+モーター
 排気量:1995cc
 ボア×ストローク:84.0mm×90.0mm
 圧縮比:12.5
 最高出力:145ps(107kW)/6000rpm
 最大トルク:188Nm/4000rpm
 過給機:×
 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
 使用燃料:レギュラー
 燃料タンク容量:48ℓ
 モーター:MA1型交流同期モーター
  最高出力:13.6ps(10kW)
  最大トルク:65Nm

3気筒が作れない水平対向エンジンだから、次期CB15型(と勝手に予想する)水平対向4気筒ターボは、徹底的に効率を追求したスバルのメインエンジンになるはずだ。新エンジン+48Vのe-BOXERという組み合わせに期待したいが、ただでさえ高コストの水平対向、そこにターボチャージャーを組み合わせて、さらに48V化というのは、なかなか難しいだろう。CB15ターボ(155ps/210Nmあたり?)にe-BOXER(12V)を積む、次期インプレッサに期待したい。

ボディ/シャシーも、アップデートしたSGP(仮にSGP2.0と呼ぶことにする)になるだろうし、フルインナーフレーム化や構造用接着剤を多用したSGP2.0の良さは、レヴォーグや新型WRX S4で、証明済みだ。

室内長×幅×高さ:2085mm×1520mm×1200mm
同クラスのライバル(MAZDA3やカローラスポーツ、ゴルフ)と比べると、インテリアの質感は、少しチープなのが残念。
岐阜の峠越えのワインディングロードではインプレッサの走りの基本性能の高さが味わえた。とにかく、安心感が高いのだ。

と次期型への期待ばかり書いたのは、現行モデルがダメだから、というわけでもない。Eyesightはやはり使いやすいし信頼性も高いし、4WDの走りの魅力も健在だ。もともとインプレッサは、スバルのエントリーモデルで、「ブレッド&バター」のようなモデルだ。Cセグハッチバックとしては長めの全長のおかげでラゲッジルームは広いし、後席の居住性も高い。とにかく、気の置けない相棒みたいなクルマなのだ。

今回は、925.2km走って燃費は13.9km/ℓだった。愛知県で開催されたセントラル・ラリーの取材で東京~愛知・岐阜を往復した。往路も復路も東名高速道路は大渋滞だった。そこはEyesightに任せて走ったわけだが、正直、もう少し燃費がいいとうれしい。WLTCモード燃費は、15.2km/ℓだから、13.9km/ℓは達成度91.4%。悪くない数字なのだが……。

インプレッサのロングドライブの1週間前、ほぼ同じ行程(そして同じような大渋滞)を走った日産ノート オーラ(4WD)は19.5km/ℓだった。

ゴルフ8の1.0ℓモデルは高速道路主体だと21.3km/ℓの燃費だった。

2020年6月にe-BOXERではないインプレッサSPORT2.0i-S EyeSightで400km走ってみたときの燃費が11.5km/ℓだったから、e-BOXERの効果は充分にあるのだが、やはりここ数年でライバルたちの燃費向上が著しい。

後席の居住性には、ゆとりがある。
Advanceのシート材質はファブリック/トリコット+合成皮革(ネイビー/ライトグレー、シルバーステッチ)
インテリアの質感は、いまや「もうひとつ」な感じだが、Eyesightの操作性も含めて使い勝手はよい。
ECO-Cは、クルーズコントロール作動時にモーターアシストと回生ブレーキ、エアコンを最適制御して燃費を改善してくれる。
戦国武将明智光秀ゆかりの明智駅前で。

インテリアの質感(現行型がデビューしたときは、クラス標準だったのだが、この5年で平均が上がったのだ)と燃費がもう少しアップしてくれたら、と思いながらドライブしたが、900km以上一気に走った翌日の疲労は、格段に少なかった(同じ行程だったノート オーラよりも疲れが残らなかった。体調にもよるだろうが……)。これ、数値には現れないインプレッサの良さ、だ。スバル車の良いところが詰まったベーシックモデルがインプレッサであることは、依然として変わらない。

ボディカラーはクリスタルホワイトパール
スバル・インプレッサ SPORT Advance
 全長×全幅×全高:4475mm×1775mm×1515mm(ルーフアンテナ含む)
 ホイールベース:2550mm
 車重:1530kg
 サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rダブルウィッシュボーン式
 駆動方式:AWD
 エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
 エンジン型式:FB20+モーター
 排気量:1995cc
 ボア×ストローク:84.0mm×90.0mm
 圧縮比:12.5
 最高出力:145ps(107kW)/6000rpm
 最大トルク:188Nm/4000rpm
 過給機:×
 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
 使用燃料:レギュラー
 燃料タンク容量:48ℓ
 モーター:MA1型交流同期モーター
  最高出力:13.6ps(10kW)
  最大トルク:65Nm
 WLTCモード燃費:15.2km/ℓ
  市街地モード11.7km/ℓ
  郊外モード15.7km/ℓ
  高速道路モード17.0km/ℓ
 車両価格○281万6000円(メーカーop18万7000円)

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…