AWDの走行性能が光るスバル初の量産EV「スバル・ソルテラ」【最新国産SUV 車種別解説 SUBARU SOLTERA】

スバルとトヨタの共同開発で誕生したEV車「スバル・ソルテラ」。 パワーユニット、運転支援システムなどのベースはトヨタbZ4Xと変わらない。しかし、そこはやはりスバル。特にAWDモデルにはEV車らしい走りを楽しむための装備が施され、スバルの変わらないアイデンティティが示されている。23年の一部改良で楕円ステアリングに変更、メーター視認性も高まり、スポーティなEVの存在感を見せている。
REPORT:安藤 眞(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:日南まみ

基本構造はトヨタと共同開発 走り重視の専用セッティング

スバル初の本格的量産EV(電気自動車)がソルテラ。〝ソル〞はラテン語で太陽、〝テラ〞は大地の意味。太陽光や地熱による発電を利用すれば、CO2排出ゼロが実現できる。

エクステリア

撮影車の「ET-HS」は20インチタイヤを履くが、「ET-SS」は18インチタイヤとなる。ルーフレールはAWDにオプション設定。左右のフロントフェンダーに充電リッドを置く。最小回転半径は5.6m。

パワーユニットやボディシェルはトヨタとの共同開発で、bZ4Xは兄弟車。前後サスペンションはトヨタのGA-Kプラットフォームをベースとしており、運転支援システムもアイサイトではなく、トヨタセーフティセンスを使用している。

インストルメントパネル

2023年10月の改良で楕円形状のステアリングになり、液晶メーターの視認性が向上。回生ブレーキの強さを変えるパドルスイッチをAWDに設定。12.3インチのディスプレイオーディオは全車に標準装備。

基本部分は共用しているものの、細部は結構異なっている。サスペンションのセッティングは、ソルテラの方がより〝走り〞志向だし、AWDモデルにパドル式の回生ブレーキセレクターが付いていたり、ドライブモードに〝POWER〞が付いていたりするのもソルテラだけだ。駆動方式はFWDとAWDがあるが、後者は前者にリヤモーターを足したのではなく、前後とも専用のe-AXLEを装備。前後の出力比が1対1になるよう設計されている。

居住性

 バッテリー容量は71.4kWh。6kWの普通充電器を使って12時間で満充電になると考えれば、合理的な容量だ。一充電あたりの走行可能距離は、グレード(車重)によって487〜567㎞(WLTCモード)と幅がある。急速充電器の出力は最大150kWまで対応しており、90kWの急速充電器で30分充電すれば、250㎞程度の航続距離が上乗せできる。

うれしい装備

後席中央に格納式アームレストを装備する。ドリンクホルダーの前方にスマートフォンを斜めに固定しやすいスペースが用意されている。
前後の乗員が同時に開放感を味わえるパノラマムーンルーフはAWDにメーカーオプション設定。サンシェードは電動タイプとなっている。
月間販売台数          26台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表           22年4月( 一部改良 23年10月)
一充電走行距離WLTCモード   14.8km/l ※ハイブリッド車

ラゲッジルーム

実力がカタログ値の80%としても、道中に90kW充電器で1チャージすれば600㎞ぐらいは走れると考えれば十分実用的だと言えるだろう。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部