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■流麗なクロスオーバーSUVに変貌した2代目XV
2012(平成24)年10月5日、2010年に誕生したスバルの「インプレッサXV」がモデルチェンジを行い、2代目「XV」に生まれ変わった。2代目は、インプレッサの冠が取れて「XV」の単独ネームとなり、クロスオーバーSUVらしい流麗なフォルムに変貌した。
3代目インプレッサのスポーツワゴンから派生したXV
1992年にデビューしたインプレッサには、セダンと5ドアスポーツワゴンの2タイプが用意された。スポーツワゴンは、ハッチバックとステーションワゴンを融合したような個性的なフォルムが採用され、セダンにはWRCを席巻したWRXが設定された。
エンジンは、レガシィから受け継いだWRX専用の最高出力240ps/最大トルク31kgmを発生するスバル伝統の水平対向4気筒の2.0L DOHCインタークーラー付ターボ(EJ20型)を筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の4機種で構成、駆動方式はスバル伝統のフルタイム4WDである。
そして、2007年にモデルチェンジした3代目のスポーツワゴンに代わって2010年に登場したのが、5ドアハッチバックをクロスオーバーSUVに仕立てた初代XV「インプレッサXV」である。
流麗な本格クロスオーバーSUVとなった2代目XV
2012年のこの日デビューした2代目XVは、インプレッサの冠が取れて“a new type”のキャッチフレーズとともに単独ネームのXVとなった。
2代目XVは、流麗で軽やかなフォルムに、前後のアンダーガードやフェンダーガードを装備して、ダイナミックなSUVらしさをアピール。基本骨格は、スバルの新世代シャシーである“SI-シャシー”をベースに、軽量かつ高剛性化が図られた。
パワートレインは、最高出力150ps/最大トルク20kgmを発揮する2.0L直4 DOHC水平対向エンジン(FE20型)と新リニアトロニックCVTの組み合わせで、駆動方式は進化版のアクティブスプリット4WD。スバルの伝統の低重心シンメトリカルAWDによる安定した走りと、最新のアイサイトVer.2による安全性能によって、初代よりさらに魅力的なクロスオーバーSUVへと進化したXVの販売は、好調なスタートを切った。
設定された3つのグレードの車両価格は、219.450万円(2.0i)/236.25万円(2.0i-L)/246.75万円(2.0i-L EyeSight)。当時の大卒の初任給は、20.2万円(現在は23万円)程度なので、単純計算では現在の価値で252万円/269万円/281万円に相当する。
2013年にスバル初のハイブリッド“e-BOXER”を追加
翌2013年には、スバル初のハイブリッド“e-BOXER”を搭載した「XVハイブリッド」が追加された。
最高出力110.3kW(150ps) の2.0L水平対向エンジン(FB20型)にCVTリニアトロニックを組み合わせ、出力10kWのモーターを並列に配置。モーターは、縦置きCVTのケース内にコンパクトに収め、エンジンの出力をアシストするパラレル方式のマイルドハイブリッドだ。
低速域ではEV走行を、中速域ではモーターによるアシスト走行を可能とし、要求トルクに対してエンジントルクが不足する分をモーターでアシストするので力強い加速が可能。e-BOXERは、燃費向上というよりも、スバルらしく走行性能や走破性を重視した“走り志向のハイブリッド”が特徴である。
燃費は、20km/L(JC08モード)で、標準モデルに対して27万~28万円ほど高く設定された。
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XVは2023年のモデルチェンジを機に、海外車名の「クロストレック」を名乗るようになり、XVの車名はスバルから消えた。同時期にレガシィも国内生産を終え(北米は2025年で終了予定)、インプレッサも生産を終えた。残念ながら、スバルの躍進を支えた名車の名前が消えてしまった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。