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日本では純正オプションでカーナビを装着したり、未装着モデルでも好みに合わせてカーナビを装着するケースが多かった。一方で外国車を中心にカーナビをスマートフォンで代用するケースが増え、ナビゲーションシステムのみならずその他の機能もスマホを使用するようになった。さらに「Apple CarPlay」や「Andoroid Auto」によりスマホをクルマに接続して利用するディスプレイオーディオを採用するモデルも増えていった。
クルマのグローバル化もあり、日本メーカーもカーナビのオプション設定のほかに「Apple CarPlay」「Andoroid Auto」のディスプレイオーディオを純正採用あるいはオプションの選択肢に加えるようになり、これまでカーナビに比べて遅れていたディスプレイオーディオの認知度と需要が急速に拡大。それに伴い、社外品の市場も活発になってきた。
その流れを受けて、パイオニアはユーザーの求める機能を搭載し、拡大する需要に応える幅広いラインナップを揃えるべく、新製品『DMH-SF900』を発売するに至った。
とはいえ、ディスプレイオーディオはスマホを「Apple CarPlay」「Andoroid Auto」で使用するのが前提だけに差別化が難しい。『DMH-SF900』はカロッツェリアらしいサウンド性能はもちろんのこと、新たな機能を提案することで他機種を一線を画したモデルとなっている。
商品名 | 型番 | 価格 | 発売 |
10.1V型HD/Bluetooth /USB/チューナー・DSPメインユニット | DMH-SF900 | 13万円前後(※) | 10月 |
「Apple CarPlay」「Android Auto」への接続はワイヤレス
ディスプレイオーディオは「Apple CarPlay」「Android Auto」への接続が当たり前だが、未だ接続はUSBによる有線であることも少なくない。しかし、『DMH-SF900』はワイヤレスで自動的に「Apple CarPlay」「Android Auto」に接続できるため、乗車してすぐにiPhoneやAndroid スマートフォンにインストールした対応アプリを本体ディスプレイに映し出し、タッチパネルで操作が可能だ。
ナビアプリを大画面に表示して使用できるのはもちろん、SiriまたはGoogleアシスタントによる音声制御もサポート。走行中でも画面を注視せずに目的地の検索や音楽再生、ハンズフリー通話、テキストメッセージ送信などが行える。
10.1インチの大画面をフローティングで装着
1DINサイズのスペースに本体を収めつつフローティング構造としたディスプレイにより、10.1インチの大画面を幅広い車種(392車種)に取り付けることができる。メーカー純正では10インチ未満のラインナップしかない車種にはありがたい仕様だ。
しかも、高解像度(276万4800画素)なHDパネルは視野角の広いIPS方式と黒色再現性に優れたNormally Black方式を採用。高透過率の静電容量方式タッチパネルや高輝度LEDバックライトを組み合わせ、鮮明かつ高コントラストな映像表現を実現している。HDMI端子も備え、スマホやHDMI出力のあるデバイスで高画質な映像を再生可能できる。
ナビとサウンドを視覚的に補助する「ルミナスバー」
他機種との差別化のひとつとして用意されているのが「ルミナスバー」。これは、ディスプレイの上部に設置されたイルミネーションが、音楽やナビアプリのルート案内に連動して点灯するというもの。
再生中の楽曲に合わせて光で演出する「ミュージックライド」は発光色や発光パターンが複数用意されており、好みの設定を選ぶことができ、往年のカーオーディオの発光を思い起こさせる。
また、「ルートガイダンスサポート」はナビの右左折に合わせた方向に発光するので直感的に曲がる方向を知ることができる。
専用アプリ「PxLink」と合わせてよりスマホライクな操作性
新開発の専用アプリ「PxLink」では、楽曲の再生/停止やイコライザー設定、FMラジオへの切り替えなど、40種類の操作キーからよく使うものを選択し、最大3ページ分スマートフォンの画面上に配置が可能。これにより「Apple CarPlay」「Android Auto」の地図画面などを表示したまま、スマートフォンで本体を操作できる。
また、壁紙を自分好みに設定できるほか、「PxLink」で最新ファームウェアをダウンロードしてワイヤレスで本体をアップデートすることも可能だ。
「Apple CarPlay」使用時に画面右上に表示されている矢印アイコンを押すことで、同一画面上に本体や対応アプリを操作するショートカットキーを表示する「スプリットスクリーン」に切り替えが可能。切換えボタンをタップするだけで簡単にスクリーンモードを変更できる。
これは現時点では「Apple CarPlay」のみの機能なになっているのは『DMH-SF900』ではなく「Android Auto」の問題。先々対応するようになることを期待せずにはいられない。
基本的にはタッチスクリーンなのだが、ブラインド操作するケースの多い「ボリューム」「ミュート」キーは物理キーとしているのも使いやすいポイントだ。
もちろん、さまざまな対応アプリを本機の画面上で楽しめる「WebLink」に対応するだけでなく、純正ステアリングリモコンやHDバックカメラ(「ND-BC300」)、純正バックカメラに対応(駐車ガイド線も表示)する。
元データはスマホでも高音質サウンド&動画も楽しめる
『DMH-SF900』はサウンド環境もぬかりなし。
「フルカスタム高性能48 bitデュアルコアDSP」などの高音質パーツを採用し、独自の音質チューニングを施すとともに、車室内で最適な音場を創り出す「タイムアライメント」や「13バンドグラフィックイコライザー」「ネットワークモード」などの機能で高音質な音楽が楽しめる。
また、圧縮音源をCDに迫る高音質で再生する「アドバンスド・サウンドレトリバー」など多彩なオーディオ機能も搭載。さらに、USBデバイスに収録されたフルHD動画やハイレゾ音源の再生など、幅広い機器やメディア/フォーマットの再生が可能です。
『DMH-SF900』はサウンド視聴用にデモカーも用意された。デモカーに設定されたのは現行型スイフトで、『DMH-SF900』に加え同時に発表されたカスタムフィットスピーカーの最新モデル「TS-C1740」とパワーアンプ「GM-D2400」も装着。既存製品でもインナーバッフル、サブウーファー「TS-WX140DA」まで装備しており、最上位モデルではないもののフルコースと言えるセット内容だった。
ナビやエンタメの主機能は使い慣れたスマホを利用したい、装着スペースが1DINに限られる、カーナビは金額的に厳しい、でもサウンドや画質は高水準を求めたい……そんなユーザーに『DMH-SF900』は最適と言えるだろう。
新製品の『DMH-SF900』をトップに、カロッツェリアでは多様なディスプレイオーディオをラインナップしており、ユーザーのニーズに合わせて選ぶことができるのだ。