ウチの可愛い子と旅をしたい! ペットとの時間が濃密になるキャンピングカーの魅力とは?

日本RV協会が発行している「キャンピングカー白書」によると、なんと40%以上のユーザーがペットと旅行にいくためと答えている。「ペットを飼うとなかなか旅行に行けない」という悩みを解決するキャンピングカーの魅力とは?

TEXT&PHOTO:山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)

ペットと一緒に旅をするにはキャンピングカーがピッタリ?

rem Wonder BV/BV-S

「ペットを飼うとなかなか旅行に行けない」というのが世の中の通説であり、仮にペット同伴可能な宿泊施設を使ったとしても、なかなか高額で頻繁に旅に出るのが大変だ。そんな状況を解決してくれるのが、キャンピングカーなのである。

キャンピングカー購入の理由は様々だが、日本RV協会が発行している「キャンピングカー白書」によると、なんと40%以上のユーザーがペットと旅行にいくためと答えている。かくいう筆者もまた、愛犬と過ごすためにキャンピングカーを購入した。

キャンピングカーであれば、行きたい場所にペット同伴で出かけられるし、高い宿泊料金も必要ない。マナーさえきちんと守れば、道の駅やRVパークも受け入れてくれるのだ(一部不可な所も)。

さらに災害時も安心だ。東日本大震災などでは、避難所にペットを連れていくことができず、犬や猫が野生化したり、NPOが代わりに世話をした。だが、キャンピングカーがあれば、ペットに多少のストレスはかかっても、家族離ればなれになることは防ぐことができるのだ。もちろん、人間のパーソナル空間としても役立つわけだ。

ペットも快適仕様のキャンピングカーとは?

最近では、ペット、特に愛犬家を意識したキャンピングカーというのが販売されている。一般的なキャンピングカーよりも、犬との快適な車中泊を意識した装備内容になっている。例えば、キャンピングカー鹿児島とオートバックスがコラボで販売している「rem Wonder BV/BV-S」。

ハイエース・スーパーロングワイド・ハイルーフをベースにした「rem Wonder BV/BV-S」

このモデルはコロナ禍の真っ最中に発売されたのだが、徐々に進化している。どういうところが愛犬家のことを考えているのかというと、まずシート表皮。防水性のある生地を使っているので外を歩いてきた犬がいきなり車内に乗っても、簡単にシートを掃除することができる。また繊維を使っていないので、爪が引っかかることもない。換毛期の抜け毛の掃除も容易なのがいい。

2列目シートダイネット(食事などをするスペース)として活用できる。

二番目のポイントは、就寝時に人と犬の居住スペースが明確に分かれていることだ。同モデルはハイエース・スーパーロングワイド・ハイルーフをベースにしているが、車内前部はダイネット、後部は常設ベッドになっている。さらに常設ベッドの下には収納スペースがあるのだが、ここを犬専用の居住空間に充てているのだ。

ベッド部分の下がペットの居住スペースとなる。扉が付いているためペットが逃げ出す心配がないので安心。

トンネル状のスペースには、前側後ろ側それぞれにネットの扉が付いており、ペットが動き回っても車外に逃げ出す心配がない。もちろん、ここにペットケージを入れて使うこともできるが、そのままで使えるように考慮されている。ちなみに、後部には犬が乗り降りしやすいように伸縮式スロープも備えられている。

この他にも、足洗い用のシャワーやペット用品を入れる引き出し、リードアンカーも標準装備。さらに家庭用エアコン(オプション)を付ければ、駐車時も安心して車内にペットを留守番させておくことができるだろう。また夏場は冷蔵庫があれば、愛犬の様々な熱中症対策に役立つことになる。

足洗い用のシャワーやリードアンカー、小物入れが付いていて便利だ。

豪華仕様のキャブコンもラインナップ

愛犬との居住空間が別々であることのメリットは、どちらかというと人にあるかもしれない。我が家もそうだが、大抵はひとつのベッドで人と犬が一緒に寝るというパターンが多いのではないだろうか。しかし、犬によっては寝相が悪いし、一緒に連泊していると人の方が疲れてしまうことがあるのだ。

rem Wonder BV/BV-Sのように人犬分離であれば、仮に中型大型犬であっても、お互いにストレスを感じることなく旅をすることができるのではないだろうか。

ちなみにペットと車中泊をする場合は、パーキング用のクーラー・ヒーターはもちろんのこと、ファン、サイドオーニングも欲しい装備だ。こうした装備が、最初からまるごと付いているのが、限定キャブコンモデルであるヴァンテックの「Doggoコルド」だ。

なんと6kWhのリチウムイオンサブバッテリーを標準装備しているだけでなく、240Wのソーラー発電システムも標準化。もちろん家庭用クーラーが付いているので、長時間稼働させることができるのも安心だ。さらに防水性シート生地の採用やリードアンカーの装備、足洗いができる収納スペースなど、ペットとの旅を快適にする装備が盛りだくさんだ。

もちろん一般的なモデルを購入して、自分でペット仕様に改造していくのも手だ。いずれにせよ、住み慣れた家を出て旅をするというのは、ペットにとっては想像以上にストレス。十分に快適性を考慮した上で、楽しい旅を楽しみたい。

加えて車中泊の場では、ペットを好ましく思っていない人への配慮もお忘れなく。

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…