トヨタ、ホンダ、ヤマハらのHySEが「ダカール2025」に水素エンジンのHySE-X2を投入

技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine technology)はこのほど、2025年1月3日〜17日までサウジアラビアで開催される「ダカール2025」(ダカールラリー※1)において、カーボンニュートラルへ向けた次世代パワートレイン搭載車両のために設けられるカテゴリー“Mission 1000 ACT 2”※2 に「HySE-X2」で参加すると発表した。
※1:ダカールラリーは、1978年から毎年開催されている砂漠から泥濘地、山岳地帯などの路面を走破するラリーレイド。2020年からは中東・サウジアラビアで開催されている。
※2:水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの技術開発を自動車メーカーに促すカテゴリー。コース総走行距離は約1000km(約100km×10日間)。

高回転域の出力特性向上や低中回転域での燃費改善、水素タンクの増設などの新たな技術課題に挑戦するために、従来のHySE-X1からエンジンおよび車体をさらに進化

HySEは、今年1月に水素小型モビリティにおける早期の課題抽出を目的として、世界一過酷なモータースポーツといわれるダカールラリーにおいて、今年から新設された“Mission 1000”カテゴリーに、研究活動で用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」で出場。最終日まで走り切り、クラス4位となった。

外装仕上げを待つHySE-X2(実車)

2回目となる今回の参加では、高回転域の出力特性向上や低中回転域での燃費改善、水素タンクの増設などの新たな技術課題に挑戦するためにHySE-X1からエンジンおよび車体をさらに進化させた「HySE-X2」を投入する。また、全世界で注目されるダカールラリーへの参加を通じ、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールすることで、水素小型モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりを引き続き図っていく。

HySEダカール2025の現地責任者を務めるスズキの甲斐大智さんはこのようにコメントしている。
「2025年のダカールラリーにエンジンおよび車体をさらに進化させたHySE-X2で参加することとなりました。2024年のHySE-X1で抽出した課題の対策効果を確認すること、エンジンのさらなる限界領域にチャレンジすることで水素小型モビリティ・エンジン技術へ貢献します。活動の内容は、HySEのInstagramでも発信しますので、応援のほど、よろしくお願いいたします」

なおHySEは、11月18日〜22日までベルギー・ブリュッセルで開催される「EUROPEAN HYDROGEN WEEK(※)」のHALL7・M20「Automobile Club de l’Ouest」ブースに「HySE-X2」(実車両)を展示する予定だ。
※欧州委員会、Hydrogen Europe、Clean Hydrogen Partnershipが共同で主催する水素に特化した欧州最大の年次イベント。

■水素燃料エンジン車「HySE-X2」概要
●全長×全幅×全高:4000×2000×1900mm
●車両重量:1250kg
●エンジン種類/弁方式:水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジン/DOHC 4バルブ
●総排気量:998cc
●水素タンク:70MPa×4本(前回は3本、今回は車体レイアウトを改良し4本に増設)
●水素搭載量:7.2kg
■HySE 概要
●名称:技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE:Hydrogen Small mobility & Engine technology)
●所在地:東京都中央区八重洲2丁目2番1号 八重洲セントラルタワー
●設立:2023年5月17日
●組合員
・正組合員:カワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機
・特別組合員:川崎重工、トヨタ自動車
・一般組合員:川崎重工、デンソー 
※2024年11月1日現在
●理事長:小松賢二氏(ヤマハ発動機 執行役員)

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