目次
■ワゴンRから完全に決別した2代目ソリオ誕生
2011年(平成23)年1月7日、スズキのコンパクトハイトワゴン「ソリオ」がモデルチェンジして2代目に移行。軽「ワゴンR」ベースで開発されたソリオは、新開発のプラットフォームで両側スライドドアを採用して、扱いやすくて広い室内スペースを持つコンパクトワゴンへと進化した。
ソリオ誕生までの軌跡
・ワゴンRワイド(1997年~):軽ワゴンRベースの拡大ボディに1.0Lエンジン搭載
拡幅した新型プラットフォームにワゴンRをベースにした拡大ボディを載せ、部品の共通化を図るなどして低コストなコンパクトカー「ワゴンRワイド」を作り上げた。最高出力70psの1.0L直4 DOHCのNA(無過給)と100psのインタークーラー付ターボエンジンを搭載し、コンパクトでありながら大人5人が乗車してもゆとりのある室内スペースが高く評価された。
・ワゴンR+(プラス)(1999年~):世界戦略の小型車を目指したハイトワゴン
「ワゴンRプラス」と改名し、GMとの提携強化後に進めた技術交流の成果を反映させながら、世界市場を視野に入れたコンパクトカーを目指した。エンジンをVVT(可変バルブ機構)付に変更して、先代と同じ1.0L直4 DOHCのNAとインタークーラー付ターボを搭載。より使い勝手の良いコンパクトカーへと改良を加えた。
・ワゴンRソリオ(2000年~):1.3Lエンジンを搭載して走りを強化
マイナーチェンジで「ワゴンRソリオ」と名乗った。先代の最高出力70psを発揮する1.0Lエンジンに加えて、88psの高性能なオールアルミ製1.3L直4 VVT付DOHCを搭載したスポーティなモデルを追加し、中・低速域から高速域まで扱いやすく、ゆとりある走りが楽しめた。また、大型フロントグリルと大型4灯式ヘッドランプを備えるなど迫力あるフロントマスクに変更して個性をアピールした。
・初代ソリオ(2005年~):ソリオの単独車名となりファッショナブルに変身
2度目のマイナーチェンジで車名からワゴンRが外され、「ソリオ」の単独車名となり、実質的に初代ソリオが誕生した。よりファッショナブルなスタイリングとなり、インテリアは運転姿勢をサポートするシートリフターや、明るいベージュ色のシート表皮とドアトリム表皮を採用。エンジンは、最高出力88psの高性能なオールアルミ製1.3L直4 VVT付DOHCのみとなり、2WDは排ガス性能を向上させグリーン税制に適合した。
低燃費と広い室内スペースを実現した2代目ソリオ
2011年1月のこの日、モデルチェンジして2代目ソリオがデビューした。
初代ソリオは、車名からワゴンRが外されたとはいえ、全体的にはまだワゴンRのイメージが残っていた。2代目は、脱ワゴンRが図られ、新開発のプラットフォームを採用し、ワゴンRとは明らかに違うスタイリングを採用し、完全に新しいモデルに生まれ変わった。
初代に対して、全長は165mm伸びて全幅は同じだが、全高は100mm高い1765mmに設定。しかし、水平基調のフロントグリルやリアコンビランプ、前後バンパーなどによって、全体としてはバランスの取れたスタイリングとなっていた。
また、初めて両側スライドドアを採用したことで、低いステップ高と余裕あるドア開口幅と高さ、さらにクラストップの室内スペースの広さが大きなセールスポイントとなった。パワートレインは、最大出力91ps/最大トルク12kgmを発揮する1.2L直4 VVT付 DOHCエンジンと副変速機構付CVTの組み合わせで、クラストップの燃費22.5km/L(10/15モード)を達成した。
車両価格は、FF(4WDもあり)で標準グレード168.3万円と151.0万円/162.4万円に設定。その後もマイルドハイブリッドの追加や運転支援機能を充実させるなどして人気を獲得し、スイフトとともにスズキの登録車の看板モデルへと成長した。
・・・・・・・・・
ワゴンRが軽ハイトワゴンのパイオニアであるように、ソリオもコンパクトハイトワゴンのパイオニア的な存在である。コンパクトハイトワゴンは軽のハイトワゴンに市場を奪われているようだが、軽では少し物足りないと感じる人にとってソリオは手頃なクルマと言えるだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。