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HONDA VEZEL
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TOYOTA RAIZE
後席空間は断然ヴェゼル!しかし侮れないライズの広さ




後席の膝周り空間はウェゼルのほうが圧倒的に広いものの、ライズは小さいながらもヤリスクロス以上カローラクロス未満となる必要十分な後席空間が備わっている。5名乗車時の荷室空間も、ヴェゼルよりやや小さいくらいで圧倒的といえるほどの差はない。
ただし、ライズは後席を畳んだ際の荷室最大長が1710mmとやや短いうえ、背もたれの傾斜がやや大きいため車中泊に使うとなると工夫が必要だ。対するヴェゼルはフルフラットに近い荷室空間となり、荷室最大長は1850mmにもなる。
車体全長に対して広めの後席と適度な荷室空間が備わるライズは、ちょうどヴェゼルの車内寸法比をそのままスケールダウンような印象だ。
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z
ボディサイズ=全長4340mm×全幅1790mm×全高1590mm
ホイールベース=2610mm
車両重量=1380kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)
トヨタ ライズ ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm
ホイールベース=2525mm
車両重量=1070kg
タイヤサイズ=195/60R17(前後)
オールラウンダーのヴェゼル vs. 街乗りスペシャルのライズ


両車のハイブリッドモデルは、どちらもエンジンを発電機として使いモーターで走行する仕組みを採用している。ただしこの方式は速度が高まるほどモーターの効率が低下する欠点がある。
エンジンやモーターの出力はライズのほうが低いが、車体の軽さも手伝って街乗りなら動力性能の差は出づらい。一方のヴェゼルは、モーター効率が低下する高速域ではエンジンの動力を直接タイヤに伝えて走行でき、どんなシーンでも安定した動力性能を発揮する。
ただし、WLTCモード平均燃費はヴェゼルの25.3km/L(Zグレード)に対して、ライズは28.0km/L(Zグレード)と小さくない差がある。たしかにライズは高速走行が苦手だが、法定速度内で走るなら大きな問題はない。高速燃費もヴェゼルよりライズのほうが上だ。
ホンダ ヴェゼル e:HEV Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1496cc
最高出力=106ps/6000-6400rpm
最大トルク=127Nm/4500-5000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
トヨタ ライズ ハイブリッドZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1196cc
最高出力=82ps/5600rpm
最大トルク=105Nm/3200-5200rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)
下位グレードとなら十分競える小さなライズの大きな価値


最上位グレード同士の価格はヴェゼルのほうが約75万円高い。対するライズは安価であるものの多くの面でヴェゼルに一歩譲る。迷ったらオールマイティに使えるヴェゼルを購入しておけば間違いはないと断言してもいいだろう。
しかしライズにまったく競争力がないわけではない。軽自動車感覚で運転できる全長4m以下のSUVとしては、ライズの後席は抜群に広い。そして、この価格でもシートヒーターが備わるなど装備は充実しており、コスパの高さでは装備が極端に限定されるヴェゼルのXグレード(288万8600円)より上かもしれない。
なにより、街乗りを主体とする使い方ならライズでも困るシーンはほとんどないはずだ。ヴェゼルの購入を即決する前に、一考するだけの性能と価値がライズには備わっている。