ふるさと納税の返礼品! 虫ちゃん率いる匠たち? マツダ・プレミアムドライビングレッスン開催

横浜市のふるさと納税の返礼品として設定された「マツダ・プレミアムドライビングレッスン」が2月1日/2日に開催された。開催場所は、マツダR&D センター横浜。担当したのは、虫ちゃんこと、マツダの操縦安定性能エンジニアで虫谷泰典率いる匠たちである。当日の様子を取材した。

そもそも、ふるさと納税の返礼品にドライビングレッスン? 

”虫ちゃん”こと操縦安定性能エンジニア、虫谷泰典さん

横浜市には、さまざまなふるさと納税の返礼品がある。いま力を入れているのは「体験型返礼品」だ。横浜市政策運営局財源確保推進課ふるさと納税担当課長の西海友希代さんは、「ふるさと納税をきっかけに、横浜に来ていただきたい。体験型の返礼品は、来ていただく方の交通費や宿泊費など二次的な経済効果があるのです。横浜でしかできない体験コンテンツを増やしたいと考えていたところに、マツダさんとのコラボレーションの話が持ち上がって」ときっかけについて放してくれた。それが「マツダ・プレミアムドライビングレッスン」である。

横浜市政策運営局財源確保推進課ふるさと納税担当課長の西海友希代さん。横浜市のふるさと納税の返礼品については、こちらからhttps://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/shisai-takarakuji-kifu/kifukin/kyoutsuuhenreihin.files/0040_20241031.pdf

今回の寄付金額は、1件8万円。なかなかの金額である。

募集人数は各回6名(2日間午前/午後開催)で合計24名だ。18歳以上で自動車運転免許を持ち、自家用車で会場であるマツダR&Dセンター横浜に来場できる方。マツダ車以外での参加も可能だった。

この8万円×24枠は、受付初日にいっぱいになった。
「いっぱいになるとは思っていたのですが、即日だとは思っていませんでした。やはり全国にファンがいるマツダさんですね」(西海さん)

初日(2月1日)に参加した12名で、マツダ車オーナーは5名。意外にも他ブランドに乗っている人の参加が多かった。けっして、マツダのコアファンばかりというわけではなかったのだ。

体験内容は、
・マツダ車の乗り味を作り込んできた虫ちゃんが語る!ひと中心のクルマづくり
・あなたの知らない「骨盤を立てるといい理由」
・ヒトの身体能力を活かすクルマとは? オドロキの試乗体験
・「あなたの身体能力を引き出すドラポジ」フィッティング
・虫ちゃん直伝!あなたの愛車で、世界一遅い!?ドライビングレッスン
・マツダR&Dセンター横浜 敷地内バックヤードにてマツダ 787B(レプリカ)と記念撮影 など

である。講師は、”虫ちゃん”こと操縦安定性能エンジニア、虫谷泰典さんとその仲間の匠たちだ。

虫谷さんには、これまでもさまざまな機会で取材に応じていただいている。つまり、マツダの名物エンジニアの代表格だ。

マツダによる説明では
「マツダの独自価値である『走る歓び』の創造に携わってきた操縦安定性能エンジニアの虫谷泰典(むしたに やすよし)によるドライビングレッスンをはじめ、自動車研究開発の歴史・魅力についての講座や開発者育成のための社内教育プログラム体験など、「ひと中心」のクルマづくりの裏側を体験いただける特別なプログラム」で、体験内容は、

会場となったのは、通常は一般非公開であるマツダ R&D センター横浜。ここに入れるのもマツダファンにとってはうれしい特典だろう。マツダ R&D センター横浜は、

【マツダの首都圏における研究拠点として、1987年に「マツダ横浜研究所」が横浜市神奈川区で開所し、1990年に「マツダ R&D センター横浜(MRY:Mazda R&D center Yokohama)」へと名称を変更。ここは日本における自動車産業の歴史にも名を連ねるアメリカのフォード社が、1927 年に構えた「日本フォード」の組立工場を起点としており、フォードと提携関係にあったマツダがその建物と土地を取得した。なお、当時の組立工場の骨組みが一部残したまま現在の建物に活用されており、横浜市や日本における自動車生産の歴史を肌で感じることができる施設】である。

マニアックなプログラム

プログラムは9:00~12:30の3.5時間。

前記の6つのコンテンツを匠たちにマンツーマンで教えてもらえる”濃い”時間である。

「骨盤を立てるといい理由」やドライビングポジションについての講義は、すぐに役立つ内容だった。また自分の愛車に虫谷さんが同乗し、ドライビングの真髄をレクチャーしてくれるのも参加者に好評だったようだ。

ドライビングポジションも重要だ。
プレマシーの新旧モデルを使ってマツダの走りについて知るプログラム。極低速で走って、違いを感じ取るのだ。

参加者のおひとり、戸手博之さん(マツダCX-80のオーナー)は、
「面白かったですね。なかなかこういうのって習おうと思っても習えないので。一番目から鱗が落ちたのは、ドラポジで、これまで自分がしてきた運転が結構疲れる姿勢で、身体をリラックスできるともっと楽にドライブできるんだってことですね。速く走ることよりも家族を乗せて長距離を走ることがあるので、乗っている人も含めて楽に負担がないようにどうやって走るのかというのが知りたかったんです。その意味でもとてもいいプログラムでした」
と語っていた。

修了したら、虫谷さんから記念品が手渡される。

R&Dセンター横浜にこんな宝物が!

プログラムのひとつに、「マツダR&Dセンター横浜 敷地内バックヤードにてマツダ 787B(レプリカ)と記念撮影 など」というものがあった。マツダと言えば787B、なのであるが、気になったのは「など」である。他にどんなクルマがあるのかと期待しながら、広い部屋に入っていくと……。

あるはあるは、素晴らしいヘリテージが!

サバンナRX-7 1979年モンテカルロ・ラリー クラス優勝車

12A型2ローターエンジンを搭載した、初代(SA型)RX-7。1979年のWRCモンテカルロ・ラリーのGr.2 クラス4で優勝したクルマだ。初出場でクラス優勝の快挙を達成している。

カペラG・ステンレスカー

1971年の東京モーターショーに出品されたカペラ。カペラはマツダ創立50周年を記念して1970年の登場。エンジンは12A型2ローターロータリー。1971年10月に追加されたGシリーズは、内外装や機能・装備をグレードアップしたカペラの最高級シリーズだ。”我が国では初、世界でも類い希なステンレスカー”(当時のプレスリリースにそう記してあった)である。

全長×全幅×全高:4150mm×1595mm×1395mm ホイールベース2470mm。12Aロータリーはのパワースペックは最高出力120ps・最大トルク16.0kgmだ。

マツダRX-8ハイドロジェンRE

RX-01

1995年の東京モーターショーでワールドプレミアされたコンセプトカー。エンジンはMPS-RE(マルチサイドポート・ロータリー)。ロータリーエンジンならではのセンターミッドシップレイアウトによる、超スラントノーズと低ボンネット、そしてエアロダイナミックウィングで話題となったモデルだ。MPS-REは、13B型をベースに排気ポートの面積を30%拡大することが可能となり、その結果、自然吸気でありながら最高出力220ps/最大トルク22.0kgmを実現した。

いま見ても、カッコいい。

MAZDA 787B&MX-R01

左がマツダでもっとも有名なレーシングマシン、787B。マツダが日本車初のル・マン制覇を成し遂げたマシン。右は、レギュレーション変更でロータリーによるル・マン参戦ができなくなった1992年に、ジャッドと共同開発した3.5L・V10エンジンを搭載したMX-R01だ。ル・マン4位。マツダの最後のル・マンカーである。

787B
MX-R01

ほかにもヘリテージがたくさん!

COSMO SPORTプロトタイプ
COSMO SPORTプロトタイプ
1966年製。発売前年の1966年に北海道から九州までのマツダ・ディーラーに47台の試作車を配車して大規模な社外委託実験が行なわれた。このクルマは兵庫県のディーラーに配車された試作車。
マツダ・ペルソナ
爆発的ヒットとなったファミリア

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部