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カーナビだけどApple CarPlay&Android Autoに対応!ディスプレイオーディとしても使えるケンウッド『彩速ナビTYPE Mシリーズ』開発秘話

あまたあるカー用品はどのように作られているか? とりわけ傑作品ともなれば、その舞台裏が気になるところ。その傑作品といえば、カーグッズ・オブ・ザ・イヤーの受賞製品が好例だろう。ここでは、直近2024年度の受賞社を訪ね、キーマンともなる主要人物に製品開発の舞台裏を聞いてみた。
(左)
株式会社JVCケンウッド
モビリティ&テレマティクスサービス分野
アフターマーケット事業部 商品企画部
アシスタントマネージャー
吉田治国 氏

(右)
株式会社JVCケンウッド
モビリティ&テレマティクスサービス分野
技術本部 マネージャー
吉田正樹 氏
KENWOOD『彩速ナビ TYPE Mシリーズ』
「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも対応し、ディスプレイオーディオ機能をも内包。高速かつ小気味よい操作レスポンスで、多彩な機能をシームレスに体験できる新感覚を提供する。

ユーザーの心情を汲む、急進と保守、両面からのチャレンジ

本機はその大元がカーナビゲーションでありながら、ディスプレイオーディオ的要素も兼ね備える。これまでのカーナビとは随分と違う。
「普段聴いているスマホの音楽を車内でもそのまま聴けるようにしたいとは常々思っていました。手っ取り早くそういうことができるツールとして、Apple CarPlayやAndroid Auto機能をこのモデルから搭載しました」(吉田治国氏)

しかも、ワイヤレス接続をも可能にしている。
「国内では、これまで法規制等で実施が難しかったのですが、この機種の開発タイミングでは、採用事例が現れはじめ、流れに乗らないわけにはいかないと考えました」(吉田正樹氏)
そのための施策はすでに目星がついていた。
「弊社の場合は海外向けモデルを先行して市場導入していましたが、国内向けは、海外向けと異なる独自対応によるシステムへの負荷など、バランスを取る対応が必要でした」(吉田正樹氏)

結果、これまで以上の多機能化を果たすことになる。
「何でもかんでも欲しいとされる国内ニーズもあると思います。しかもリーズナブルに買いたいという。それに対応するべく、いろいろな機能を載せたということです。ないよりはあった方がいいという話は、当然ついて回ってきますので」(吉田治国氏)

だからこそ、ディスクプレーヤーもそのまま残した。
「高年齢のユーザー層を想定した結果とも言えます。そういう方々はDVDやCDを持っている方が多く、それをクルマで楽しめるところに価値を見出す方も多いと考えています。この製品にはいまだにリッピング機能が入っていて、実際私も使っています。わざわざ1回1回CDを持っていくのも大変なんですが、リッピングをうまく利用して、常に自分が好きな曲が聞けるような状態にしたいという気持ちもあります。世の中的になくなっていく方向になってきた中で、そういった部分も頑張れるだけ頑張りたいなというところですね。僕みたいな普段使っている人間からすれば、やっぱり残して欲しいと言う気持ちもありますから」(吉田治国氏)

当然、そこもひと筋縄ではいかない。
「苦労するってのは予見はできていたので、開発プロセスの範囲内にはなるんですが。ただ、やっぱり通常開発プロセスを崩してしまうと、品質が担保できなくなるので、それは守りつつ、弊社内の色々な部門と部門横断の対策チームを作り、特化した活動をこのモデルでは実施しました。最初から全部盛り込むことを想定したモノづくりができたことも大きいと思います」(吉田正樹氏)

「懐かしい曲、自分の青春時代の音楽も
楽しんでいけるような商品に仕上がっています」
「全部入ってますっていうところで
それぞれどうやって詰め込もうか
各方面と調整しながら工夫しました」

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