「サーキット」「伝統工芸」「日本のダークサイド」の世界へ
ヤマハのレーシングスピリットを純粋に受け継ぐYZF-Rシリーズ。MOTO-GPをはじめ、各種ロードレースに参戦するのがYZF-Rシリーズであり、ヤマハのピュアスポーツラインアップである。

モーターサイクルショーではブース外に見られる位置にあるのは、YZF-R9。2024年秋に2025年モデルとして発表され、北米や欧州では既に導入済みで、まもなく国内で発売予定となっている。クロスプレーン・コンセプトの3気筒エンジン「CP3」を搭載し、本気過ぎるR1(欧州では2025モデルはサーキット専用モデルとして発売)を除けば、ナンバー付きヤマハスポーツの最高峰とも言える。

展示ブースでのYZF-R9の背景はもちろんサーキットが舞台。時にはサーキットを楽しみつつ、ストリートもこなすのがYZF-R9なのだ。
YZF-R9の左隣には、2024年の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスで年間シリーズチャンピオンとなった岡本裕生選手のチャンピオンマシン「YZF-R1」が鎮座。

そのお隣にはF1のような前後の空力パーツが最新のトップMoto−GPマシンらしいFIMロードレース世界選手権出場の「YZR-M1」が展示されている。



なお、このフロントのエアロパーツ「ウイングレット」は、2025年モデルの「YZF-R1」にフィードバックされ採用されている。
YZF-Rシリーズのお隣には、XSRシリーズが展示される。

背景パネルは、京都などにありそうな和風建築の軒先にXSRが停められているというもの。日本の伝統工芸にあるような、優れた機能と共に、美しさと繊細さを秘めていることを表現しているのだろう。
そのパネルの前に展示されるのは参考出品車両で、XSR900をベースに、オンとオフどちらにも入っていけ自在にアドベンチャーを楽しめるイメージさせたもの。ブラックの車体色にゴールドのストライプが漆工芸のような美しさを連想させてくれた。

その左隣には、ベージュを基調とした日本限定カラーのXSR900が展示される。とかくメカの象徴であるブラックやシルバー、あるいはサーキットステージで派手に目立つ赤青黄など原色系が採用されがちな二輪業界だが、若者を中心にアースカラーと言われるようないわばぼんやりとした色遣いが人気。

しかし、こういったカラーは世界的に「オジサン」には理解されず、マーケットでは「売れ筋」になり得ないと判断されがち。それで、日本限定での販売となったカラーがこの「セラミックアイボリー」だという。もしかすると、アニメやゲームのように、バイクのカラーのトレンドが日本から世界へ広がるかもしれない。

XSRの世界の横にはMTシリーズの世界が広がる。背景看板は2輪メーカーとしては珍しくアウトローサイドにも見えるイベント「ダークサイドジャパン」の世界観を表現している。展示されるのはMT-09につい先日追加となったニューカラーのマットライトグレーメタリック4(マットライトグレー)。

また、その隣は同じカラーのMT-07も展示。このMTの世界観を実体験するイベント「The Dark side of Japan Night Meeting 2025」は2025年5月10日(18:00~21:00)に「CITY CIRCUIT TOKYO BAY」(東京都江東区青海1丁目3-12)で開催が決定している。

これら3つの世界を中心に、その他のヤマハの2輪を展示するブース内は、俯瞰してみると道がデザインされている。

これは、ヤマハ発動機販売の「Re:route”自分”」というカスタマーコミットメント、『ユーザに新たな選択肢、ルートの設定、ポジティブな変化の役に立ち、バイクライフを楽しんでいただきたい』と言う思いだそうで、これにちなんでルートがブースに描かれている、というわけだ。ヤマハの進む道も見えた、わかりやすいブース展示だった。
