目次
1.室内空間と荷室の広さの違いは?
スバル 新型フォレスター | 日産エクストレイル | |
全長×全幅×全高 (mm) | 4655×1830×1730 | 4460×1840×1720 |
室内長×室内幅×室内高(mm) | 1950×1540×1270 (※サンルーフ装着車は室内高-15mm) | 1980-1990×1540×1215-1255 |
ホイールベース(mm) | 2670 | 2705 |
車両重量(kg) | 2.5Lハイブリッド:1730~1780 1.8Lターボエンジン:1640~1660 | 1740~1880 |
新型フォレスターは全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mmで、エクストレイルの全長4460mm×全幅1840mm×全高1720mmと比較すると、全長が長く、全幅もわずかに広く、全高もわずかに高めです。ホイールベースは新型フォレスターが2670mm、エクストレイルが2705mmとエクストレイルの方がやや長く、後席のニースペースに若干の余裕があります。
室内寸法では、新型フォレスターが室内長1950mm×室内幅1540mm×室内高1270mm(サンルーフ装着車は1255mm)であるのに対し、エクストレイルは室内長1980~1990mm×室内幅1540mm×室内高1215~1255mmとなっています。室内長ではエクストレイルがわずかに広いものの、室内高では新型フォレスターが優位に立ち、特に後席の頭上空間にゆとりがあるため、大柄な乗員でも快適に過ごせるでしょう。
荷室の実用性については、新型フォレスターが高さを活かした積載に強みを持つ一方で、エクストレイルはホイールハウス間隔が広く使い勝手にこだわった設計となっています。また、後席の格納方法にも違いがあり、新型フォレスターは完全にフラットになる仕様として、荷物の積み下ろしをしやすくしているのに対し、エクストレイルはセカンドシートのスライド機構を活用することで、使い方に応じたアレンジを可能としています。
2.走行性能とパワートレインは?
スバル 新型フォレスター | 日産エクストレイル | |
パワーユニット | 2.5L水平対向4気筒DOHC直噴+2モーター(2.5Lハイブリッド車) 1.8L水平対向4気筒DOHC直噴ターボ(1.8Lエンジン車) | 1.5L直列3気筒DOHC+1または2モーター(4WD) |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 2.5Lハイブリッド:118(160)/5600 1.8Lターボエンジン:130(177)/5200-5600 | 106(144)/4400-5000 |
エンジン最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 2.5Lハイブリッド:209(21.3)/4000-4400 1.8Lターボエンジン:300(30.6)/1600-3600 | 250(25.5)/2400-4000rpm |
走行用モーター最大出力 [kW(ps)] | 88(119.6)(2.5Lハイブリッド車のみ) | 150(204)(フロント)/100(136)(リヤ/4WD車のみ) |
走行用モーター最大トルク[Nm(kgm)] | 270(27.5)(2.5Lハイブリッド車のみ) | 330(33.7)(フロント)/195(19.9)(リヤ/4WD車のみ) |
駆動方式 | 4WD | FF / 4WD |
トランスミッション | CVT | CVT |
新型フォレスターには2.5Lハイブリッド(160PS/209Nm)と1.8Lターボ(177PS/300Nm)の2種類が用意され、2.5Lハイブリッドは低速域から最大トルクを発生する特性により、悪路でのトラクション性能が高く、未舗装路や雪道でも安心感のある走行が可能です。
スバル自慢の4WD性能に関しては、X-MODEがオフロードでの走破性を高めており、急勾配の下り坂でも安定した走行を可能にするヒルディセントコントロールも搭載されています。また、1.8Lターボは低回転からの力強いトルクを生かした走りが特徴です。
他方、エクストレイルは1.5L VCターボエンジンを発電機として用いる電動駆動のe-POWERを採用し、フロントモーター204PS、リヤモーター136PS(4WD車/e-4ORCEのみ)の最大出力を発揮。最大トルクはフロント330Nm、リヤ195Nm(4WD車/e-4ORCEのみ)と非常に高く、電動ならではの鋭い加速を実現しています。
e-POWERはエンジンを発電専用にすることで、エンジンと駆動が直結することなく、常に電動モーターによるスムーズな走行が可能です。また、2つのモーターを組み合わせた電気式4WDシステムのe-4ORCEでは前後のモーター駆動による高いトラクション性能を発揮し、雪道や滑りやすい路面でも確実に駆動力を伝えることができます。
3.乗り心地とサスペンションはどうだ?
スバル 新型フォレスター | 日産エクストレイル | |
サスペンション形式[前/後] | ストラット式/ダブルウィッシュボーン式 | ストラット式/マルチリンク式 |
ブレーキ形式[前/後] | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク | ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ | 235/50R19(「Premium」) 225/55R18(「X-BREAK」「SPORT」) | 235/60R18または235/55R19 |
新型フォレスターはフロントにストラット、リヤにダブルウィッシュボーンを採用し、特に荒れた路面での乗り心地の良さが際立ちます。サスペンションの動きがしなやかで、路面の凹凸を適切に吸収するため、長時間の運転でも疲れにくいのが特徴です。
他方、エクストレイルのサスペンションはフロントがストラット、リヤがマルチリンクとほぼフォレスターと同様な構成ですが、特に都市部や高速道路での安定感が高く、長距離移動でも快適な乗り心地を提供します。また、e-4ORCEの制御により、減速時のピッチングを抑えることで、同乗者の不快感を軽減する工夫がされています。
4.安全装備の違いは?
車名 | フォレスター | エクストレイル |
安全装備 | アイサイトX | 360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)/プロパイロット |
新型フォレスターはスバル独自の“アイサイトX”を採用し、交差点での歩行者検知や自転車との衝突回避を可能にする先進的な自動ブレーキを搭載。さらに、歩行者エアバッグを標準装備し、事故時の安全性をより高めています。また新型の歩行者エアバッグは自転車との衝突を考慮したサイクリスト対応に進化しており、より安全性能が向上しています。
対するエクストレイルは最新の“プロパイロット”機能を搭載し、自動運転支援や歩行者検知機能付きの自動ブレーキを備えています。エクストレイルは「衝突しない、衝突させない」という衝突以前の予防安全を重視していると言えるかもしれません。上位グレードではSOSコール機能も搭載され、万が一の際の安全性を向上させています。
5.燃費性能はどうだ?
スバル 新型フォレスター | 日産エクストレイル | |
燃費(km/L・WLTC) | 2.5Lハイブリッド:18.4~18.8 1.8Lターボエンジン:13.6 | 18.4~19.7 |
燃料タンク容量(L) | 63 | 55 |
新型フォレスターのWLTCモード燃費は2.5Lハイブリッドが18.4~18.8km/L、1.8Lターボが13.6km/Lで、燃料タンク容量は63L。一方、エクストレイルはほぼEVと言えるクルマのため18.4~19.7km/Lと燃費性能で優位に立っており、燃料タンク容量は55Lとなっています。とは言え、フォレスターの燃費も2.5Lハイブリッドに限れば決して見劣りするものではなく、むしろ良好と言えるでしょう。
総合評価:新型フォレスターが向く人、エクストレイルが向く人は?
新型フォレスターは、オフロード走行や雪道などの悪路走破性を重視し、よりタフなSUVとしての性能を求めるユーザーにおすすめと言えるでしょう。特にワインディングロードでのスポーティな走行性能を楽しみたいドライバーに魅力的な選択肢となるのではないでしょうか?

エクストレイルは、電動駆動ならではのスムーズな加速と静粛性、優れた燃費性能、都市部や長距離移動に適した快適な乗り心地を求めるユーザーに適していると言えます。また、使い勝手の良い荷室や収納スペースなどは、アウトドアを楽しむファミリーにも向いていることでしょう。

どちらの車種にもそれぞれの強みがあります。走行性能と悪路走破性を重視するなら新型フォレスター、都市型SUVとしての利便性を求めるならエクストレイルという選び方が最適ではないでしょうか。