日産「350Zロードスター」をニューヨークショーに出展、日本では350万円で10月にZ33型投入【今日は何の日?4月19日】

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
2003年にニューヨークオートショーで展示された350Zロードスター(写真は、日本仕様)
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日4月19日は、日産自動車の「350Zロードスター」がニューヨーク国際オート―ショーで出品された日だ。350Zロードスターは、日本名「フェアレディZロードスター」であり、5代目フェアレディZ(Z33型)のオープンモデルである。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・新型フェアレディZロードスターのすべて、歴代フェアレディZのすべて、新型フェアレディZのすべて、東京モーターショー2003のすべて

■Zの海外向け350Zロードスターをニューヨークショーに出展

2003(平成15)年4月19日、日産自動車は「350Zロードスター」をニューヨーク国際オートショーに出展した。Z350ロードスターは、5代目Z33型のオープンモデル「フェアレディZロードスター」の海外向けモデルであり、日本では同年10月にデビューした。

日産「350Zロードスター」
日産「350Zロードスター」

Tバールーフ、コンバーチブル、ロードスターへと進化

ダットサンフェアレディ SPL213
フェアレディZの前身、ダットサンフェアレディ SPL213

初代フェアレディZ(S30型)は、ロングノーズ/ショートデッキのスポーツカーらしい美しいフォルムで、1969年10月に誕生した。スポーツカーらしいスマートなスタイリングとパワフルな走りで、日本とともに北米では「240Z」を名乗って大ヒットし、日本を代表するスポーツカーZの快進撃がここから始まった。

フェアレディZ(S30型)
1969年に誕生した典型的なロングノーズ・ショートデッキの初代「フェアレディZ(S30型)」

海外名は、基本的にZの前にエンジン排気量を付けて表わし、その後240Z→260Z→280Z→300Z→350Zとなった。

S130型フェアレディZ Tバールーフ
S130型フェアレディZ Tバールーフ
S130型フェアレディZ Tバールーフ
S130型フェアレディZ Tバールーフ

初代フェアレディZには、オープン仕様は設定されなかったが、2代目Z(S130型)に「Tバールーフ」が設定され、これがフェアレディZのオープンモデルの最初になる。Tバールーフは、続く3代目(Z31型)、4代目(Z32型)にも設定され、フェアレディZの定番となる。

Z31型フェアレディZ Tバールーフ
Z31型フェアレディZ Tバールーフ
フェアレディZ(Z32型)
1989年にデビューした4代目「フェアレディZ(Z32型)」

4代目には、フルオープンとなる「コンバーチブル」も設定され、Tバールーフと併売された。そして、5代目(Z33型)と6代目(Z34型)では、Tバールーフを廃止してフルオープンのみとなり、名称も「ロードスター」に変更された。

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
350Zロードスターの日本版、Z33型フェアレディZロードスター

日産リバイバルプランの目玉としてフェアレディZ(Z33型)が復活

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
350Zロードスターの日本版、Z33型フェアレディZロードスター

日本を代表するスポーツカーとして、フェアレディZは順調に進化を続けていたが、1990年代後半に日産は販売不振から経営危機に陥り、1999年にはルノーとの提携といった荒波の中、4代目(Z32型)は2000年8月に生産を終え、フェアレディZの名前は途絶えることになった。

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
350Zロードスターの日本版、Z33型フェアレディZロードスター

一旦途絶えたフェアレディZだったが、日産のフラッグシップスポーツの存続を求める声の高まりを受け、日産リバイバルプランの車種展開の中で、2002年7月に復活を果たした。

「350Zロードスター」のコクピット
「350Zロードスター」のコクピット

復活した5代目(Z33型)は、空力性能に優れた流麗なスカルプチャーデザインを採用。パワートレインは、出力規制値280psを発揮する3.5L V6エンジン(VQ35DE)と6速MTおよび5速ATの組み合わせ。

「350Zロードスター」のトップビュー
「350Zロードスター」のトップビュー

車両価格は、ローグレードが300万円(MT)/310万円(AT)~ハイグレード360万円(MT)に設定。ターボエンジンを搭載していた先代に対して、同じ最高出力ながら大排気量のNA(無過給)を搭載し、太い低中速トルクによってスムーズかつ力強い走りが楽しめる大人のスポーツカーに仕上がっているのが特徴だった。

オープンのフェアレディZロードスター追加

日産自動車は、2003年ニューヨーク国際オートショーで4月のこの日から始まった一般公開において、「350Zロードスター(日本名:フェアレディZロードスター)」を出展した。ラグジュアリーなオープンカーの人気が高い米国で、人気のフェアレディZにオープンモデルを希望する声に応えたのだ。米国には同年7月から販売が始まった。

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
350Zロードスターの日本版、Z33型フェアレディZロードスター

クーペをベースにして、ロードスター専用の剛性を高めたボディ構造が採用され、パワートレインはクーペと同じ3.5L V6エンジン(VQ35DE)と6速MTおよび5速ATの組み合わせだった。

3.5L V6エンジン(VQ35DE)
「350Zロードスター」に搭載される3.5L V6エンジン(VQ35DE)

オープン機構は、世界初のワンレバー3ロック方式と、約20秒で開閉可能な電動ソフトトップを採用。フルオープンの状態では、帆はトランク部分の前のスペースに収納されるため、トランクは100%活用できるように配慮されている。

350Zロードスター(写真は、日本仕様)
2003年にニューヨークオートショーで展示された350Zロードスター(写真は、日本仕様)

日本では、標準グレードの価格が350万円で10月から販売が始まった。当時の大卒初任給は、19.7万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約409万円に相当する。フェアレディZのロードスターは、2008年に登場した6代目(Z34型)でも設定されたが、2014年に生産を止めて、以降は設定されていない。

Z34型フェアレディZロードスター
Z34型フェアレディZロードスター

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オープンモデルは、かつてはスポーツモデルだけでなく、ファミリーカーにも設定されていた時期もあった。しかし、製造コストが上がり販売価格も高くなるので、ある程度数が出ないと採算が取れず、販売を続けることは難しいのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…