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ヒョンデは、2001年から2009年まで日本市場に参入していた。今回は12年ぶりの再参入となる。
ヒョンデは2019年12月に発表した『Strategy 2025(2025年戦略)』で「スマートモビリティデバイスとスマートモビリティサービスをふたつのコアビジネスの柱とし、2025年までにスマートモビリティソリューションプロバイダーに移行する」という電動化戦略における明確な目標を提示した。またグローバル市場において電動化におけるリーダーシップを発揮し、2025年までにバッテリーおよび燃料電池EVの世界トップ3メーカーのひとつになることを宣言した。
そして、2020年12月には自動車業界におけるデジタルトランスフォーメーションとエネルギーシフトの加速化、ならびに環境・社会問題に対する世間からの関心の高まりを受け、より最良のサービス・製品の提供を実現するために2025年戦略のアップデートを発表した。アップデートされた2025年戦略ではスマートモビリティデバイス、スマートモビリティサービスに加え、新たに水素ソリューション領域での成長を視野に入れた、中長期的な戦略を展開している。
スマートモビリティデバイス分野では電動化による自動車事業での競争力強化、スマートモビリティサービス分野では主要ポジションを確立するための基盤構築、水素ソリューション分野では水素エコシステムにおいてイニシアチブを取るための戦略を策定し、スマートモビリティソリューションプロバイダーへの移行というビジョン実現、かつバランスのとれた成長と経営力の強化を目指している。
そこで、日本市場で発売されるのはEV「IONIQ 5」とFCV「NEXO」の2モデルだ。
EV「IONIQ 5」の一充電走行距離618km、価格は479万円から!
EV「IONIQ 5」は、ヒョンデの電気自動車専用プラットフォームであるE-GMP(Electric-Global Modular Platform)を採用したモデルだ。E-GMPは、革新的なデザインと室内空間に加え、充電性能と航続距離の充実、優れた走行性能と安全性を確保したプラットフォームだという。
先進的なエクステリアデザインは、シャープで洗練された鋭いラインが特徴的。ロングホイールベースのCUVスタイルに未来志向のパラメトリックピクセルLEDヘッドランプとフロントバンパーランプ、流麗なクラムシェルフードと空力を考慮したデザインのエアロホイールを備えている。ただ新しいだけでなく、どこか懐かしい雰囲気があるのも魅力だ。
グレードは4つ用意されている。上位グレードには2WD(RWD)だけでなく4WDも設定されている。
一充電走行距離は618km(72.6kWh RWDモデル)。58kWhモデル (479万円)の航続距離は498kmだ。
72.6kWhの大容量バッテリーを搭載し、航続距離が長いので都会を離れてロングドライブにも出かけられるのが嬉しい。また、4WDグレードは最高出力225kW、最大トルク605Nmを発揮するので、ダイナミックでゆとりのあるドライビングを楽しめる。
さらに、CHAdeMO急速充電システムにも対応しており、さまざまな充電インフラを使用できるほか、急速充電器(90kW級)を使用する場合、32分で10%から80%までの充電が可能だ。
車内外でパソコンなどのモバイル機器やキャンプ用品のような消費電力の高い電気製品を使用することが可能だ。IONIQ 5のV2L(Vehicle to Load)機能は最大1.6kWの電力を供給し、後部座席の下に備えるV2Lポートは走行中でも使用できる。
ボディサイズは以下の通り。
全長×全幅×全高(㎜)=4635×1890×1645
室内長×室内幅×室内高(㎜)=2013×1631×1209
ホイールベース(㎜)=3000
最低地上高(㎜)=160
車重(kg):1870
画像で見る以上に実車は立派なサイズだ。
価格は479〜589万円。スペックを考えると良心的な価格だ。独創的なデザインと実用的な航続距離を兼ね備えたIONIQ 5。まずは試乗が楽しみな一台だ。
FCV「NEXO」は776万円!トヨタ・ミライがライバル
IONIQ 5と同時に導入されるのがこの燃料電池自動車「NEXO」だ。日本では現在、トヨタMIRAIが販売されているが、MIRAIはセダンなのに対してNEXOはSUVのボディを纏っているのが特徴だ。パワートレーンは、アメリカの『WARD’s AutoWorld(ワーズオートワールド)』誌で「10ベスト・エンジン2019」に選ばれた実力の高いものが採用されている。駆動とともに最大トルクを発生させる電気モーターの特性により、停止状態から発進する際の動力性能と瞬発力に優れている。
FCシステムの出力は95kW。駆動用リチウムイオポリマーバッテリーの最高出力40kW、バッテリー容量1.56kWh。駆動用モーターの最高出力は120kW、最大トルク395Nmとパワフルな駆動力を生み出すシステムだ。また、燃料電池自動車のエネルギー源である水素を貯蔵するシステムとして、世界で初めて貯蔵スペースを最大化した3つの水素タンクを採用した。火災や衝突による強い衝撃にも耐える高い安全性を確保しているという。
ボディサイズは以下の通り。
全長×全幅×全高(㎜)=4670×1860×1640
室内長×室内幅×室内高(㎜)=1923×1530×1228
ホイールベース(㎜)=2790
最低地上高(㎜)=162
車重(kg):1870
価格は776万8300円。トヨタMIRAIが710〜860万円なので同価格帯で勝負してきた。
EVもFCVもまだまだ成熟していない日本市場でヒョンデがどこまで評価されるか楽しみだ。