2段ベッドになるポップアップテントに注目! 400万円台から買えるリーズナブルなキャブコン【このキャンピングカーが欲しい】

キャンピングカー
バンショップミカミ Dテントむし(車両本体価格:488万2900円/展示車価格:696万7400円)
ポップアップテントが付いているから「テントむし」。その大きいバージョンなので「D(でっかい)テントむし」。そんなわかりやすいネーミングのキャンピングカーは、サイズも値段もまさに「ちょうどいい」。バンコン以上の快適性を臨むユーザーにピッタリのキャブコンだ。

TEXT●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)
PHOTO●Motor-Fan.jp

大きすぎないサイズで取り回しやすいのもうれしい|バンショップミカミ Dテントむし

軽トラにキャンパーシェルを付けて、キャンパーにコンバージョン。さらに、ルーフにポップアップテントを付けた「テントむし」。バンショップミカミが造るロングセラーの軽キャブコンだ。見た目がキュートで、開放感のある居住空間を持つことから、根強い人気がある。

そんなテントむしよりもビッグな兄弟車が、ついに登場。その名は「Dテントむし」。ダイハツのグランマックス(タウンエースのバッジモデル)・トラックをベースにしているのがかなりレアだ。

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ダイハツ・グランマックス トラック/トヨタ・タウンエース トラックがベースとなるDテントむし。全長4550mm×全幅1800mm×全高2110mm(ポップアップ時2580mm)というボディは、キャブコンとしては扱いやすいサイズ。

グランマックスというと、タウンエースの影に隠れているようなイメージだが、そもそもタウンエースとライトエースはダイハツが造っているのだから、これこそ本家モデルというわけである。

さて、シャシー後部にはオリジナルのキャブが搭載されているが、テントむしという名前が付けられているだけあって、天井部が470mm垂直にポップアップするようになっている。これは走行時の空気抵抗を減らしながら、居住空間の拡大を狙ったもの。もちろん、この中は就寝スペースとしても活用される。

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「テントむし」の由来にもなっているポップアップテント。

1320mmの室内高が1800mmになる効果は抜群で、屈まずに車内を移動できる快適感は大きなものだ。同時に、高速道路の移動でクルマがフラつかないのも、ユーザーとしては大きな安心感につながる。フラつきはキャブコンの宿命だが、それがないとストレスはまるで違う。

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室内高に余裕ができるため、室内で立ち上がることが可能になるのがうれしい。

室内レイアウトは2タイプ。標準仕様は、セカンドシート、サードシートが横向きになる。オプションで、セカンド、サードシートを前向きのFASPシートに変更することも可能だ。前者はキャンプ時の快適、後者は移動時の快適を優先させている。ちなみに、ベッド展開した時は、共に1990×1330mmの就寝スペースになる。また、どちらも一人旅に適したセミフラットベッド(1990×880mm)にすることが可能だ。

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セカンド/サードシートは横向きが標準。
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展示車はセカンドシートにオプションのFASPシートを装備。前向き・後ろ向き・フラットに変更できる。
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フルフラットベッドにアレンジした状態。1990mm×1330mmのスペースが確保されている。
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リヤのマットは室内側面に固定可能。

両バリエーションの大きな違いは、ダイネット時にも出る。横向きはソファーのように広いため、カウチのようにゴロンと寝転がることができるが、FASPシートは対面となる。ファミリーユーザーで、家族が向かい合って食事を楽しみたいなら、FASP仕様の方が向いているだろう。個人的には、横になってくつろげる標準仕様を選ぶと思う。

ちなみに、ポップアップさせたテントの内部は、1820×130×620mmの上段ベッドになる。テントサイドはメッシュ窓になるので、光と風が入る開放的な空間になる。車内への光取り、換気にも有効だ。さらに車両後部が大きく開放できて、荷物の積み降ろしの時の利便性はもちろんのこと、天気のいい日はオープンエア的な気持ちの良さを教授することができる。

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バンク部分にはマットが収納されている。
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これを展開すると、2段ベッド(1820mm×1300mm×620mm)のできあがり。

車内左側にはキッチンカウンターが配置され、そこにシンクと冷蔵庫が内蔵される。冷蔵庫は18Lで、それが標準装備というのはうれしい。電装系は105Ahディープサイクルサブバッテリーが1個、1500Wインバター、走行および外部充電システムなどが標準化される。

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カウンターの左には18Lの冷蔵庫、右にはシンクを内蔵。
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展示車は電源を強化したEパッケージ。ポップアップルーフにはソーラーパネル が備わるほか、100Aのリチウムイオンバッテリーを2台装備。状況に応じて充電方法を自動選択するオリジナルのベストチャージシステムも採用する。

実際に四季を通じて使うとなると、オプションのFFヒーターやDCクーラーなどが欲しくなるが、春、秋ならこのままでも十分快適だろう。バンショップミカミはキャンパー装備のオプションもだが、外装カスタムのメニューも豊富だ。そういったものを活用して、オリジナルの1台を作り上げるのも楽しいだろう。

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オプションのDCクーラーは44万円。

Dテントムシは4550mmという全長サイズで、ベース車よりも485mmもストレッチされている。一般的なタウンエースベースのバンコンよりもかなり大きいことになるが、取り回しがすごく悪くなるということもない。それ以上に、居住空間が広くなる恩恵の方が大きいと言える。

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リヤには大型鍵付き扉をオプション装備。

加えて、ポップアップテントを採用していることで、Dテントむしはカムロードベースのキャブコンにも負けない空間を持った。これで価格が400万円台(ハイエースベースの場合は一部500万円台)というのは、実にリーズナブルだ。バンコン以上の快適性が欲しいという人に、居住性も価格もピッタリなのではないだろうか。

バンショップミカミ Dテントむし

■車両本体価格:488万2900円/展示車価格:696万7400円
■ベース車両:ダイハツ・グランマックス(FR・4AT)
■乗車定員/就寝定員:6人/4+小1人
■主要装備:エアコン/給水タンク(10L)/排水タンク(12L)/料理器具(カセット式)/オートチャージャー(メインサブ充電)/インバーター(1500W)/サブバッテリー(ディープ 105A)/外部電源/冷蔵庫(18L)
■展示車のオプション装備:セカンドシートをFASPシートに変更 16万5000円/後部超大型扉 18万7000円/Eパッケージ(電源強化) 49万5000円/電子レンジ(ラック込み) 8万8000円/DCクーラー 44万円/TV取り付けパック 9万3500円/サイドウインドウをアクリル二重窓に変更 8万8000円/FFヒーター 24万2000円/FFヒーター用マルチコントローラー 2万3100円/オプションペイント 12万7600円/アルミホイール 6万500円/M/Tタイヤ 7万4800円

バンショップミカミ https://www.vs-mikami.com/

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…