鉄板の床とゴムマットのみの装備であるジムニーをどこまで静かにできるか?|クラシック・ジムニー(JA71C)のメインテナンス ロードノイズ低減・静音編

サンデーメカニックが今回手を出したのは、静音! さて、どうなることやら……
室内に侵入するメカノイズ、ロードノイズを低減したい。クルマのノイズはとくに長距離ドライブには疲れのモトとなる。クルマは人の五感で動いている。そのすべての感覚を安全運転に向けていくことも大切だ。もちろん、各自動車メーカーもこの点には注目しているはずだが、それはコストにも繋がる。そこで、クルマの「静音」製品に力を入れているプロに相談。すると……。

TEXT & PHOTO:伊倉道男(IKURA Michio)

非公開: インパクトレンチが欲しい!|クラシック・ジムニー(JA71C)のメインテナンス タイヤ交換編

自動車修理工場でよく聴く音、「ガガガガ、ギューン」あらぁ、あの硬い錆びたナットがいとも簡単に外れてる。いいなぁ、ラクだろうなぁ、インパクトレンチ。ただ回すだけでなく、その名のとおり衝撃を与えてボルトナットを外す。サンデーメカニックだけど、いや、だからこそ……欲しい。 TEXT & PHOTO:伊倉道男(IKURA Michio)

とにかくプロに相談だ!

鉄板の床とゴムのマットしか装備されていない吾がジムニー(JA71C)はかなりうるさい。装備を見れば当たり前なのだが、低減できるものなら……と “静音” 製品に力を入れているエーモン工業に相談してみた。すると、なんとも良さそうな製品を紹介してくれた。さっそく試してみよう。

最初に簡易的ではあるけれど、数回、騒音状態を計ってみる。中央の白字が信号待ちでのアイドリング状態。73dB。右のオレンジの文字が最大79dB。時速は40km/h。これはフードブレンダーを耳元で聴いているくらいの騒音であるとの表示。これでは疲れてしまうのも当然だ。ちなみにデシベルであるが、6デシベル下げるとノイズは約半分になる計算だ。

簡易的ではあるけれど、数回、騒音状態を計る。

騒音の侵入先は屋根もあるのだが、こちらは幌なのでどうしようもない。またピラーの風切り音、これもいたしかたなし。そこでフロアからの騒音に集中して対策していくことにする。
ミッション、トランスファー、そしてセンターブレーキ周辺からのノイズである。

エーモン工業製品でロードノイズ対策としてラインアップされているのは5種類。
ITEM No.8361 Aodea ロードノイズ低減シート〔フロア用〕
ITEM No.8362 Aodea ロードノイズ低減マット〔フロア用〕
ITEM No.8357 Aodea 静音シート〔ピラー用〕
ITEM No.8358 Aodea 静音シート〔パネル用〕
ITEM No.8359 Aodea 静音シート〔フロア用〕

そのなかから今回は、鉄板の振動を押さえるロードノイズ低減シート(No.8361)と、発生した騒音を吸収するロードノイズ低減マット(No.8362)をチョイスした。この二種類を使ってフロアからのノイズの軽減を試みる。
まずは施工する場所のサイズ計測。フロアやラゲッジルームの鉄板部の振動を抑えていこう。

ロードノイズ低減シートを貼り込んでいく。こちらの基材はアルミニウムで、特殊ゴム系粘着剤が使われている。サイズは約250×450mm、厚さ約3.1mm。従来品よりも厚みが約2倍に増えているのだそうだ。貼りやすいように45cmを6分割、75mm×250mmの短冊状に切りわけておく。
フロア全体に施工するものではなく、丁度、太鼓の振動板、大きく揺れていると思わしき場所に貼っていけばよい。もちろん、全体に施工すればその効果は絶大だろう。

次にNo.8362を敷き込む。こちらは吸音効果を狙った製品だ。ノイズの発生源を抑えるNo.8361と同じ静音効果を狙ったものではあるが、こちらは音を吸収する為のアイテム。両方を使うとより効果的。こちらは現在使っているフロアマットよりも多少小さめにカットして敷き込んでいく。

薄いアルミを扱うので、作業を始める前に必ず軍手など手袋を着用。
施工しやすいようにシートを外しておく。前席のフロアとミッション、トランスファーからのノイズを重点的に減らす予定。
ロードノイズ低減マット(No.8362)をほぼフロア全体に敷き込んだ状態。

残すはラゲッジルーム、というか荷台。ここは脱着可能なように軽トラの荷台用のゴムを敷いてみる。荷台の型を取っていこう。次に鉛筆でゴムシートにマーキング。
ジムニー(JA71C)の荷室は幅が最長で約1200mm。長さは約900mm。ゴムシートを横に使う。カットにはデッドニングはさみを使用。これ、ゴムシートを切るのにも使えます。
カットしたゴムシートを荷室に敷く。ノイズ低減と荷物のずれ防止だけでなく、アウトドアグッズの保護にも役立つ。

カットしたゴムシートを荷室に敷く。ノイズ低減と荷物のずれ防止、保護。

さぁ、これでフロアからのノイズはかなり抑えられたはずだ。測定してみよう。すべての条件を同じにはできないが、アイドリング時で69dBと4dBも大幅にダウン!

測定がすべて同じ条件とはいえないが、アイドリング時で69dBと4dBと大幅にダウン。

見たら買わないわけには……

静かになったジムニー。楽しみである出先でのランチはなににしようか、と考えながら新しいナットを買いにホームセンターへ。
するとそこにニュータッチ「凄麺シリーズ」が数種類並んでいるではないか。見ると食べたくなるのはナゼだろう……と思いつつ、軽トラのゴムマットの黒に合わせて富山ブラックが良いな、とかごへ入れる。この富山ブラックの特徴は富山県の山元醸造の醤油と背脂。このシリーズは熱湯5分。3分ではできない。早く食べたいが、ちょい待ちだ。

春本番。テストランの帰りは幌を外した。幌車ジムニーの特権でもある。頭上を流れる桜。少しオーディオのボリュームを上げてみる。ゴールデンウィークもすぐそこまできています。また来週、お目にかかります。

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著者プロフィール

伊倉 道男 近影

伊倉 道男

フォトグラファー。国学院大学法学部法律学科卒。アパレル会社にて総務人事、営業を経験。その後、但馬 治…