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急速充電器と電気自動車の相性問題はまだまだ解決されない
電気自動車(BEV)の選択肢が増えてきています。
国産メーカーでいえば、トヨタ/レクサス、日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱が市販していますし、海外ブランドでいえばアウディ、ジャガー、シトエロン、DS、テスラ、BMW、ヒョンデ、フィアット、プジョー、ポルシェ、ボルボ…と非常に多くのBEVが日本で購入できるようになっています。
エンジン車では予算を考えると国産一択という部分があるかもしれませんが、BEVにおいては価格帯としても国産車と輸入車が比較対象となります。ただし、スタイリングやパフォーマンスなどを基準に選んでしまうと後悔するフェイズかもしれません。
現時点ではBEVを選ぶにはオーナーによる“口コミ”情報が重要といえます。
なぜなら日本国内には8000基ほど公共的に使える急速充電器が整備されているといいますが、急速充電器と車両の相性にまだまだ課題があるからです。たとえば、特定車種と急速充電器の相性が悪く、期待する充電性能が発揮されないという話はまま聞くものです。
かつてのようにBEVの種類が少なかった時代であれば急速充電器メーカーは全車種で検証できたかもしれませんが、こうした状況においては代表的なモデルでしか確認できないというのも理解できるところ。
日本で広く普及している急速充電はCHAdeMOという共通規格ですから建前の上では規格の条件を満たしていれば、急速充電器と車両における相性問題は起きないでいてほしいのですが、実際には起きています。
もちろんファームアップなどでそうした問題はどんどん解決されているのですが、充電器の相性問題を知っているのは実際に使ったことのあるオーナーのみといえます。その意味で“口コミ”情報が非常に重要になってくるわけです。
もし近所に公共急速充電器があって、それを日常的に使うことで便利に運用できると考えていても、それが設計通りの充電性能を発揮できないとなったら悲劇です。そうした話について詳しい販売店スタッフもまだまだ少数派といえますから、クルマ選びの段階で口コミ情報を見つけるべく、検索するなど努力すべきなのです。
自宅や職場での普通充電運用が電気自動車の本筋
その意味では、まだまだBEVの運用には面倒な部分があるのも事実です。それも含めてBEVライフを楽しめるアーリーアダプター向けの商品といえるのかもしれません。
なお、国内に設置されている急速充電器において、まず問題が起きないといえる車種は日産リーフです。相性問題を気にしたくないというのであればリーフを選んでおけば安全といえるでしょう。
ただし急速充電器というのは、本質的には「経路充電」といって長距離を移動する際に、途中で充電するための機械といえます。日常的に急速充電器を利用するというのはBEVの使い方としてはイレギュラーです。
本来は、「基礎充電」として自宅や職場などBEVの保管場所に普通充電を整備して、それを利用すべきなのです。
3kWの普通充電であれば8時間で20kWh程度の充電が可能になります。
電費が7km/kWhくらいだとして、一晩で140kmくらい走れるだけの充電ができるというわけで、帰宅して普通充電につないでおけば、日常的にはまったく問題ないという人は多いではないでしょうか。
同様に「目的地充電」といって宿泊先での普通充電を利用するというのもBEVの運用においてはポイントになります。