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通勤用に買ったが車検が切れて保管
長いことTE27レビンを改造して楽しんでいるオーナーは公務員だった。現在は定年退職しているが、現役だった1990年代に、通勤用の足グルマを探していた。その時、以前乗ったことがあるランタボのことが気になってきたのだ。
近所の中古車屋に置いてあったのが今のクルマ。後期のインタークーラー付きで、当時すでに13年落ち。でも古いのに乗ると楽しいし速い。1998年に乗り始めてから2004年に車検が切れるまで通勤用に乗り続けた。
車検が切れて通勤用には別のクルマへ乗り換えたが、ランタボには愛着が生まれていたし、ボディの程度が良かったので何となく解体処分することができない。置く場所には困らなかったから、そのまま軒先でカバーをかけて保管することにしたのだ。
仕事を退職したり子育てが一区切りすると、世間じゃ80年代車も旧車扱いになって人気が出てきた。そこで保管し続けてきたランタボを復活させることにしたのだ。一念発起したのは廃車してから、実に15年後のことだ。
外観
1973年発売の初代ランサーがフルチェンジして1979年にランサーEXへ進化。海外モデルに2リッターターボが追加された1981年、国内向けは1.8ターボが追加された。1983年のマイナーチェンジでグリルが変わりターボにインタークーラーが装備された。ちなみに車名はターボインタークーラだ。
ラジエター前に配置されたインタークーラー。その下に本来なら逆文字のTURBOデカールがある。
国内でドアミラーが認可されたのが1983年。純正なのでMMCマーク入り。
純正リヤスポイラーの痛みは最小限。その下の黒いデカールはオプション。
タイヤとフェンダーの隙間は80mm以上ある。
リヤは若干フロントより高く85mmの隙間だ。
純正マッドガードの車名は赤文字になる。
エンジンルーム
1981年発売のランサーEX1800ターボは135psだったが、’83年に追加されたインタークーラでは160psへ大幅アップした。
燃料系トラブルが復活を邪魔した
保管状況が悪くなかったので痛みは少ないが、冷えているとエンジンの始動性が悪くなっていた。どうしたものかと情報を探すと、インターネットで北海道のランタボ乗りと友達になった。その人からのアドバイスを参考にした。
始動性の悪さで疑ったのが燃料系の詰まり。そこでタンクを降ろして内部のサビ取りとコーティングを済ませる。燃料ポンプは80年代車で採用例が多い社外品を手に入れて交換。燃料フィルターも他メーカー車の純正品を流用してみた。でもイマイチ良くならない。
最終的に燃料噴射のインジェクターと目星をつけ、部品を探すも見つからない。そこでヤフオク! を探すとエンジンごと出品されていた。補器類がすべてついた状態で落札。重機を借りて運送会社の倉庫まで引き取りに行った。
中古インジェクターに交換すると、ようやく復活。ブレーキや足回りはそのままで問題ないと判断した。自力で整備して何とか再登録することに成功した。
程度の良かったボディはさすがに薄汚れていた。そこでバフを借りてきてポリッシュすると、光沢が復活。この時代のソリッド塗装は、磨けば復活するもの。四隅や角ばった部分は若干色あせたが、古いクルマだからそれも味。
ランタボの復活と前後してガレージも建ててしまった。TE27と並べて置ける最高の環境だ。
室内
部分的にモケットやパイル地になるドアトリム。ターボ車用シールも健在。
フロントシートは傷はおろかヘタリすらない状態。通勤用に使っていたクルマなのでリヤシートはさらにキレイ。
この三菱ランサーEX1800GSRターボインタークーラG-ワークスの記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)に掲載された記事を引用・転載したものです。