車中泊にも使える!? 電動コンプレッサー式エアコンキットが超便利!

車中泊にも使える!? 後付け可能な電動コンプレッサー式汎用エアコンキットが超便利!

クルマに後付けが可能な便利なエアコンキットを発見。しかも、電動コンプレッサー式なのでエンジンに繋げる必要がなく、取り付け場所も選ばない。主に旧車向けではあるが、工夫次第でキャンパーなど車中泊の用途にも使えそうだ。
TEXT●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)

旧車にもエアコンが欲しい!クルマに負担を掛けない後付エアコンキット

連日猛暑が続く中、クルマに乗る人すべてがお世話になっているエアコン。新車であればもはや当たり前についている装備だが、ちょっと事情が異なるのが古いクルマ、いわゆる旧車である。そもそも効きが弱かったり、エンジンの吸気にキャブレターを使用しているクルマはエアコン使用時のアイドリングが安定しないなど、なにかと不都合が多いのである。

そのため「そもそも夏場は旧車には乗らない」とか、「あまりの暑さに懲りてクルマを手放した」なんていう旧車オーナーの話もよく耳にするほど。好きだからこそ手に入れたはずのクルマに、1年のうちの4分の1(か、それよりもっと長く)乗れないのだとしたら、そんなにもったいないことはない。

メルセデス・ベンツW114に装着した電動コンプレッサー式エアコンキット

そんな中、これはもしや旧車乗りの救世主かと話題になっているのが、電動コンプレッサーを使用した後付けタイプのエアコンキットだ。クルマのエアコンは本来エンジンとコンプレッサーがベルトで繋がり、エンジンの回転する力を利用して冷媒ガスを圧送する仕組みになっている。だが、電動コンプレッサーであればエンジンと機械的に接続する必要がないので、前述したアイドリング不調を避けることが可能。

また、バッテリーと繋ぐことさえできればいいので、コンプレッサーを取り付ける場所は必ずしもエンジンルームでなくてもよく、室内やトランクの中など、施工する側の都合で設置場所を自由に決められるのもメリットだ。

直列4気筒エンジンが搭載されるW114のエンジンルーム内、向かって右サイドに電動コンプレッサーと新しいバッテリーを設置。狭いスペースにコンパクトに収まっているのが印象的だ。

今回取材したのは、「クルーズ」のブランド名でLEDバルブなどを展開しているHeartNet(ハートネット)が開発した電動エアコンキット。同社のデモカーであるメルセデス・ベンツW114のエンジンルームには、件の電動コンプレッサーをはじめ、コンデンサーや電動ファンなど、キットに付属されるパーツがきれいに取り付けられている。

その他にエバポレーターやインバーター、コントロールユニット、レシーバータンク、各種配管やフィッティング類など、必要なものがすべてワンセットになっているとのことで、取り付けの容易さにもこだわったそうだ。

こちらが電動エアコンキットの肝となる電動コンプレッサー。一般的なベルト駆動のコンプレッサーと異なり、バッテリーから供給される電気で圧力を生み出す。

今回取材したのは、「クルーズ」のブランド名でLEDバルブなどを展開しているHeartNet(ハートネット)が開発した電動エアコンキット。同社のデモカーであるメルセデス・ベンツW114のエンジンルームには、件の電動コンプレッサーをはじめ、コンデンサーや電動ファンなど、キットに付属されるパーツがきれいに取り付けられている。

その他にエバポレーターやインバーター、コントロールユニット、レシーバータンク、各種配管やフィッティング類など、必要なものがすべてワンセットになっているとのことで、取り付けの容易さにもこだわったそうだ。

冷媒を冷やすコンデンサーと電動ファンも付属。

エバポレーターはクーラーとヒーターの兼用タイプ(いわゆるエアコン)とクーラーのみのタイプを設定。写真のようにダッシュボードの下に吊り下げて装着するアンダーダッシュタイプと、埋め込み式のダクトタイプがあるそう。右ハンドル用だけでなく、左ハンドル用も設定されている。

助手席側のダッシュボード下に吊り下げて取り付けるタイプの送風ユニットを装着。風量と温度の調節ダイヤルも装備されている。左ハンドル用の設定もあるそうだ。

かなり充実した内容だが、予定販売価格は18万7500円〜と意外にリーズナブル。あくまで旧車やエアコンレスにしたチューニングカーなどで使用されることを想定した商品ではあるが、ひょっとすると車中泊などの用途にも使えるかもしれない。キャンピングカーのFFヒーター用の追加バッテリーのように、配線を工夫すれば走行中に充電し、就寝時にはエンジンをかけずにクーラーを効かせることも可能。家庭用エアコンより圧倒的にコンパクトなので、ビルダーの工夫次第で使い方の幅が広がりそうだ。

W114のインテリアに違和感なく取り付けられた電動エアコンキット。旧車らしい雰囲気を壊さないのもポイントだ。送風ユニットが外に出るのが嫌な人向けには、ダッシュボードの内側に埋め込むタイプも用意。工夫次第で荷室やトランクルームにも設置可能だ。

問い合わせ先
Heartnet
0570-06-4147
http://www.heartnet.info

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著者プロフィール

小林秀雄 近影

小林秀雄

大正から昭和初期の文豪の如き不健康な風貌ながら、趣味は草野球とサーフィンというわかりにくい男。編集…