旧車の醍醐味はキャブレターにあり!! WEBER 45Φのセッティングとは?

キャブレターを知ろう・WEBER45φのすべて!! セッティング編【G-ワークスアーカイブ】

旧車の醍醐味といえば「キャブ」。そのレスポンスと吸気音は現代の車両では味わえないもの。今回は代表的なキャブレターWEBER45φを取り上げる

WEBER45φセッティング方法

…その前に基本的なことを

WEBER45φのセッティング方法の解説に入る前に、混合気の作られ方を少し解説しておこう。下図はおおよそのイメージを掴んでもらうための簡単な領域マップだ。縦軸がエンジン回転、横軸がアクセル開度になっている。


アイドリング状態の時はアクセル開度数%、エンジン回転750rpmあたりなので、アイドルジェットの領域に入っている。その後アクセルを踏んで20%〜25%で、エンジンは2000rpm〜3000rpmになり、少しずつメインジェットからも混合気が出始めてくる(円が重なっている所)。この様に各ジェットには開度と回転の合わせた領域があるのだ。

・同調を取る

同調を取る時は、シンクロメーターを各気筒に当てて、吸入の仕方を調べる。シンクロメーターの指している位置が各気筒で揃うようにスロットルアジャストスクリューを回転させて調整する。シンクロメーターの種類によって当てている時間や、当て方が違う物もあるので、そのシンクロメーターに合った使い方をする。シンクロメーターを頼りに調整するのだから、シンクロメーターが狂っていては基準がなくなってしまう。

・アイドリングを安定させる

WEBERのセッティングは最初にアイドリング領域から行なっていく。作業手順については右側にあるので、そちらを見て欲しい。アイドリング領域の調整は手順に従って行なえば難しいことはないが、同調を取るのが重要な部分なので、スロットルの開き方が同じになるようにしてほしい。それとアイドルアジャストスクリューを回転させるとエンジン回転が変化するので、エンジン回転が上昇から下降に変わったら、そこが一番高い場所なのでそこに合わせるのがコツだ。

①アイドルアジャストスクリューを全閉にしたあと1回転半緩める。
②エンジンを掛ける。
③各気筒にシンクロメーターをあてる。
④スロットルアジャストスクリューで同調をとる。
⑤1,000rpmに調整する。
⑥アイドルアジャストスクリューでエンジン回転の高い所に合わせる。
⑦安定しなければ③〜④をもう一回やり、同調を取る。
⑧終了。

・発進〜加速をスムーズにする

濃いとき
・発進時に息付きをする(温間時)
・急発進すると問題ないが、ゆっくり発進するとプラグがかぶり、煙が出る。
・アイドリングが不安定もしくは3000rpm以下で不調。
・アクセルを戻しても回転落ちが遅い。


対処法
・加速ポンプジェットを小さくする。
・アイドルジェットのサイズを下げるか、Fナンバーでエアホールを大きくする。
・アイドルアジャストスクリューの戻し量が合っていないアイドルジェットのサイズを下げる。
・スロットルレバーの緩み、もしくはアイドリング領域の調整不良。
薄いとき
・発進時に息付きをする(冷間時)
・急発進すると問題ないが、ゆっくり発進すると息付きがひどい。
・アクセルを一気に戻すとパンパン音がする。

対処法
・加速ポンプジェットを大きくする。
・アイドルジェットのサイズを上げるか、Fナンバーでエアホールを小さくする。
・アイドルジェットのサイズを上げるか、Fナンバーでエアホールを小さくする。

・追い越し加速で生きる中・高速

濃いとき
・追い越し加速で生きる中・高速。
・3速3000rpm以上で走っていてアクセルを踏み込むとゴボつく。
・アクセルを踏んでもエンジンが重い。
・空ぶかし、走行時両方とも5000rpm以上回らない。


対処法
・メインジェットを小さくする、もしくはエアジェットを大きくする。
薄いとき
・3速3000rpm以上で走っていてアクセルを踏み込んでも高回転が回らない。
・1速〜3速までは問題ないが4速にすると極端に失速する。
・空ぶかしは良いが、走行すると5000rpm以上回らない。


対処法
・メインジェットを大きくする、もしくはエアジェットを小さくする。
・燃料ポンプの吐出量不足もしくはフロートレベルが低い。
・メインジェットを大きくする、もしくはエアジェットを小さくする。

・直線番長必読!! 全開域をキメる!!

濃いとき
・4速全開で走ってみる。
・エンジンが高回転ゴボゴボいう。
・高回転域でエンジンが重い。
・一度メインを40番ほど上げて極端に濃くしてみる。

対処法
・メインジェットを大きくするもしくはエアジェットを小さくする。
・燃料ポンプの吐出量不足もしくはフロートレベルが低い。
・メインジェットを大きくするもしくはエアジェットを小さくする。
薄いとき
・4速全開で走ってみる。
・トルク感がない。
・高回転域が回らない。


対処法
・メインジェットを大きくする、もしくはエアジェットを小さくする。
・薄い場合はトルク感が無く、高回転域が回らない。
このWEBER45φの記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)に掲載された記事を引用・転載したものです。

キーワードで検索する

著者プロフィール

G-WORKS編集部 近影

G-WORKS編集部