日本未導入のゴルフ・セダン。フォルクスワーゲン・ジェッタがモデルチェンジ!ジェッタってどんなクルマ?ゴルフと比較!

VW New Jetta
左(青いクルマ)がJetta、右(赤いクルマ)がJetta GLI
北米でVWジェッタ(Jetta)が商品改良を受けた。ゴルフの4ドアセダン版という位置づけのジェッタも現行モデルが7代目。現在、日本のラインアップにはないジェッタだが、北米ではなかなかの人気を誇っている。

VWジェッタってどんなクルマ?

長い歴史を持つジェッタは、現行モデルで7代目となるが、日本では懐かしいと感いう声も多いのではないだろうか。実は、ジェッタは、日本では名前が変更されて販売されていた時期がある。初代と2代目はそのままに、1992年デビューの3代目はVento(ヴェント)、1998年デビューの4代目はBora(ボーラ)という名前で、日本で輸入販売されていた。その後、5代目で再びジェッタに戻ったが、6代目と現行7代目は日本未導入となっている。

今回、7代目になって初めて本格改良を受けたジェッタ。7代目は2018年1月、デトロイトモーターショー2018で初公開されたモデルで、プラットフォームはVWの最新モジュールプラットフォームであるMQBを採用している。

VWジェッタ
VWジェッタ
VWジェッタ

ボディサイズは、
全長×全幅×全高:4702mm×1799mm×1459mm
ホイールベース:2686mm
である
パワートレーンは、EA211evo型1.5ℓ直4ターボを搭載。特徴は
・可変タービンジオメトリー(VTG)ターボを北米で初採用
・筒内燃料直接噴射の噴射圧は最大35MPa(350bar)
・圧縮比11.5でミラーサイクル採用
・APSコーティングされたシリンダーライナー
・最高出力が160ps、最大トルク250Nm
・トランスミッションは6速MTまたは8速AT
・ジェッタGLIは、2.0ℓのEA888型直4ターボを搭載(231ps/350Nm)
・ジェッタGLIは6速MTまたは7速DCTと組み合わせる。

ジェッタが搭載するEA211 evo型1.5ℓ直4直噴ターボには北米初(量産モデルでは)の採用となるVTGターボが採用された。
ジェッタGLIが積む2.0ℓ直4ターボはEA888型。

ビジュアルでは、新たに開発されたスポーツトリムを含め、バリュー価格で高級感のあるトリム構成に変更。エクステリアは、フロント、リヤエンドの変更、新色や新ホイールの採用などにより、そのスタイルを一新。システムでは「フォルクスワーゲン・デジタル・コックピット」やWi-fi機能付きカーネット・テレマティクスを標準装備したインテリアに変更。さらに、フロントアシスト、ブラインドスポットモニター、リヤトラフィックアラートをジェッタに標準装備、IQドライブ・ドライバーアシストをジェッタに設定、GLIに標準装備と、盛りだくさんのモデルチェンジとなっている。

VWジェッタのコックピット
VWジェッタGTLのコックピット

初代ジェッタは、1979年にゴルフをベースとしたセダン車としてデビューした。ジェッタのシルエットは、ゴルフをノッチバックセダンにモデルチェンジしたことにより、ゴルフに尾が伸びたような印象を受ける。ここでは、トランク容量、全長、ホイールベース、ウェイトの観点より、ノッチバックセダンであるジェッタと、ハッチバッククーペであるゴルフを比較していこう。

フォルクスワーゲン・ジェッタGLI
フォルクスワーゲン・ゴルフ

歴代ジェッタのスペック

歴代ジェッタのスペック

歴代ゴルフのスペック

歴代ゴルフのスペック

ここでは、歴代のジェッタとゴルフの荷室容量の変動に注目してもらいたい。初代から容量アップしてきているゴルフを横目に、ジェッタの荷室容量はだんだん低下してきているではないか。このままでは、ゴルフに追いつかれてしまいそうだ。近年では、北米でもゴルフの5ドアモデルもメジャーになってきたため、ますますジェッタの影も薄くなってしまう…と思いきや、北米市場での2020年北米の販売台数は
Golf:6063台
GTI:11461台
Golf R:1193台
e-Golf:767台

に対して
Jetta:82662台
なのだ。
ジェッタは北米フォルクスワーゲンの主力モデルとしてその名を馳せている。

では一体なぜ北米市場では、こんなにもジェッタが人気なのだろうか。第一に考えられる理由は、やはり、その扱いやすさだろう。広い荷室容量から、いくら買い物をしても問題ない。車両サイズもコンパクトからフルサイズに至るまで幅広く、そのフォルムにかなって乗り降りのしやすさも申し分なし。海外のドライバーや乗客は日本人より身体がひとまわり大きいため、居住スペースの広さはこちらより重要事項なのだろう。

先に触れた荷室容量の低下傾向についてだが、近年のモデルでは、リヤシートをたたむことができるため、このデメリットはほとんど解消されているようだ。

他に考えられる理由としては、やはり経済面だろう。セダンは手頃な価格で低燃費を実現させやすい。ジェッタの価格もゴルフと比べるとリーズナブルだ。保険料が安い点も注目ポイントだ。セダンは、予算が限られていたり、5人以上の居住スペースを必要としないユーザーにとっては理想的なクルマだ。また、価格的にも安価で手に入れやすく、初めてクルマを購入する方などがセダンを購入することが多いようだ。これだけのメリットが詰め込まれていれば、北米で人気者になるのも必然だろう。

セダン市場が冷え込んでいる日本市場では、投入されていないジェッタだが、米国市場でのその人気は本物だ。デビュー当時は、ゴルフにノッチバックをつけてセダンタイプとしていたジェッタだが、近年ではさらにその上を行くモデルとして扱われている。日本市場では、フォルクスワーゲンの上級モデルであるパサートが存在するため、ジェッタと区別化するのが難しいのかもしれない。とはいえ、日本で走行するセダンには、その小さなボディはうってつけだろう。是非とも日本市場の穴場を狙って登場してもらいたいものだ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

モーターファン 近影

モーターファン