頑固な汚れ、放置はキケン
過酷な夏は身体にも多くのダメージを残すように、厳しい気候ゆえのストレスは車体にも大きく掛かる。その痕跡は、傍目で見るより深淵に蓄積されがち。うっかり見過ごしたままだと、後にも尾を引くダメージとなって残ってしまう。身体のケアと同様に、ダメージ後のケアこそコンディションキープのカギとなる。
高温に達する強い日差しと集中豪雨を一身に受ける外装部は、とりわけ気遣う部分が多い。雨と一緒にボディに付着したさまざまな汚れは、乾いたあともそのまま残り、そして高温の強い日差しで焼き付けられた状態にもなる。繰り返されればそれはシミとなり、表面被膜を浸透するケースもまま起こる。路面の汚れを拾った雨水にも多くされされるホイールまわりなども、ブレーキダストの汚れと相まって、ボディ以上に厳しい現場となりがちだ。
こうなってしまうと、通りいっぺんのいつもの洗車では対処し切れない。念入りにシャンプー掛けしたとしても、焼き付いた汚れはなかなか落ちきらず、その念入りさが逆に洗車キズとなって残るおそれもあるため、頑張ればいいってものでもない。
となればあとは削るだけと、コンパウンドに頼る向きもあるが、それは得策とは言えない。それまた有効な手段ながら、手順としては最後の最後に残しておくべだろう。
よりオススメなのが専用薬剤を使い、化学作用に頼ること。特殊なケミカル効果でボディへの定着を弱めれば、特に力を掛けることなく汚れの除去も可能になる。とかく頑固な汚れほど、力を掛けたゴシゴシ洗いによる二次被害が怖い。力に頼らず、化学効果と融解の時間こそ、二次被害を呼ばないコツにもなる。
当然この手の薬品は、その攻撃力の分、元々あった保護被膜をも取り除きがちなので、汚れ除去後もそのままにはできない。プレーンな状態までリセットした後は、間を置かずに即効処方で保護被膜も新設したい。強力な汚れ落としは事後のコーティングもセットで。これもまた、ダメージケアの鉄則でもある。