街で山で活躍できるオールラウンダー【スバル・クロストレック】は、走りだけでなく安全装備も大満足！｜新車レビュー

XV改めクロストレックを名乗る新型は、よりアグレッシブな外観が目を惹く。大きなヘキサゴングリルをはじめ、シャープなフロントグリルバーやLEDヘッドランプによるキリッとした顔つきが印象的だ。そんなクロストレックに試乗してきた。

スバルらしい質感ある走りを獲得

サイドのクラッディングが拡大し、SUVらしさを強調しながら、ウエストラインが後方でグッと跳ね上がるなど、キャビンを小さく見せる工夫も印象的だ。また、全幅を1800㎜に抑えることで日本での取り回しに配慮しており、それでいながら最低地上高は200㎜と十分な高さを確保している。

走りを左右する車体は、「スバル・グローバル・プラットフォーム」を進化させ、レヴォーグやアウトバックと同様のインナーフレーム構造により高剛性化と軽量化を実現。サスペンション取り付け部の剛性も高めることで、走りの良さも磨き上げている。

プロトタイプの試乗会では、従来型XVとの比較も盛り込まれていた。奥でさらに回り込むコーナーや、急勾配が続く山道でもボディがより強くなっているだけでなく、大小を問わず、段差を乗り越えた際の収まりは一段と巧みだ。乗り心地の良さに貢献しているのが、新開発のシート骨格で、骨盤の仙骨を抑える構造が採用されたほか、シートレール取り付け部の剛性向上により減衰性も向上。新型の方が腰まわりの面圧がキレイに出ていて、長時間では腰の疲れも軽減するはず。

従来型と同様に、ストローク感のある乗り味は健在でありながらもより重心が低く感じられ、揺り返しも少なく、操縦安定性も着実に磨かれている。2ピニオン電動パワステが採用されたこともあり、とくに高速域のスタビリティが高まり、安心感も一枚上手だ。

また、新型には2WDが設定されたのもトピックス。4WDよりも大人1人分程度軽いことで、フットワークの軽快感に直結している。濡れた路面でのトラクションやコーナリング時の安定感では4WDに譲るものの、素直なハンドリングにより、人によってはこちらの方が運転しやすく感じられるかもしれない。

静粛性の高さも見逃せない。パワートレーンの熟成によりエンジンコンパートメント由来の音が小さくなっている。エンジンが高負荷域では、CVTにありがちな、うなりを上げるような音とは無縁とはいなかいものの、従来型よりも侵入してくる音が一段と小さくなっていて、より上質といえる動的質感を手に入れた。

パッケージングは従来型とほぼ同等で、後席の広さや荷室の使い勝手もほとんど変わっていない。インパネで目を惹く11・6インチのセンターディスプレイは、レヴォーグなどよりも階層を少なくし、エアコンなどの操作性が向上している。

安全面では、「アイサイト」に、画角が従来よりも約2倍に拡大したステレオカメラに加えて、低速域に歩行者や自転車をより検知しやすい単眼カメラを追加した。そのほか、ハイ／ローともにフルLED化したヘッドライトは、進行方向を照らすLEDコーナリングランプ付きで、視認性が向上している。