車検をパスしていても、取り締まりの対象になる場合も!?【令和版! 車検の◯と× #011】

車検にまつわる都市伝説・・・【車検基準】ウワサ話よりも真実を知ろう!

車検に関する話は尽きない。しかし、誌面の都合もあるので……。そこでここでは、まだまだ気になるコトを、いくつか取り上げてみた。車検に、愛車を合法状態に保つことに興味を持ってもらえれば、幸いです!

地域差、検査員の個人差が……等々、様々なウワサがあるが!?

保安基準には例えば最低地上高や灯火類の高さなど、数値で明らかに指定されているものもあれば、ヘッドライトの色のように「白もしくは黄色」というように大まかな表現しか記載されていないものある。この場合、最終的な判断を下すのは担当の検査員であり、持ち込む陸運支局や検査員の感じ方によって個人差があるのもまた事実。前述のヘッドライトで言えば、青白いようなHIDの光を白と判断する検査員もいれば、白ではなく青だからNGと判断する検査員もいるということだ。この辺りの認識のズレは人間が携わる以上やむを得ない部分といえるかも。近い将来、検査員がAIロボットになり、杓子定規な判断だけになる、なんて時代が来るのでしょうか?

Q.“Eマーク最強説”の真偽は?

A.ある意味においては“真”です!

自動車や自動車部品が、欧州連合諸国の道路交通に関する関連規制要件を満たしていることを証明するEマーク。これを取得している部品は、協定締結国において改めて認可の手続きを取ることなく使用することが可能となっている。日本も「国連の車両等の型式認定相互承認協定」に加入しており、152ある協定規則のうち、85の規則を採用している。その規則に該当するEマーク付きの自動車及び自動車部品は日本ではそのまま車検をパスすることができるということになる。そのため、一部のスーパーカーなど、ノーマル状態でも改造車よりも激しい排気音を奏でる車種でもEマークがついているから合法という判断になるのである。

Q.レースの世界にも車検がある!?

A.レギュレーションに則っているかチェックするための車検がある

一般的には“公道を走行するために必要なものが車検”というイメージがあるかもしれないが、サーキット専用車にも車検が存在する場合がある。それがレースに参戦する場合だ。どんなレースもレギュレーションというルールが設けられており、チューニングの度合いや車両重量など、同クラスの車両がイコールコンディションで走行できるようになっており、それに合致しているかどうかをチェックされるのだ。

Q.エンジン載せ替えに関する細かな事情は?

A.旧式のエンジンに乗せ換えるのは大変!

チューニングの世界では常識……とまではいかないが、比較的ポピュラーなものがエンジンの載せ替えだ。特に旧型モデルに現行型のエンジンを搭載し、パワーと乗りやすさを両立させる、なんてケースは珍しくない。しかし、それとは逆に新しいモデルにチューニングのノウハウがある旧式のエンジンを載せることになると話がややこしくなる。新型車はどんどん厳しくなる排出ガス規制に適合しているが、そこに旧式のエンジンを搭載するとその規制をクリアしているかどうか判別できなくなってしまう。そのため、旧式のエンジンに新たに触媒などを追加し、排出ガス規制に適合しているという証明を取得してから載せ替えの公認を取得する必要があるのだ。

Q.ガス検とは?

A.特定の条件で必要になる検査です

前述の旧式のエンジンを新型車に搭載する場合や、海外で販売されている車種を並行輸入した場合は、その合致する排出ガス規制に適合しているかどうかを検査し、パスしなければ登録することはできない。この排出ガス検査は年式によって異なるが10万円〜60万円ほどかかり、検査のチャンスは2回のみ。このときに排出ガスが規制値以内に収まっていないと、もう一度検査費用を払わなければならないのだ。そのため、排出ガス検査はノウハウのあるところで事前に改善をしてもらった上で実施するべきだろう。

Q.強度検討について

A.カスタマイズの内容により必要になるコトがある

エンジン載せ替えやボディパネルの材料置換など、公認車検を取得する際に必要なのが強度検討書だ。これは交換したパーツが純正同等かそれ以上の強度を持っていることを示すもので、別のパーツに交換しても、純正状態の強度は失われていないことを証明するために必要なもの。これがないと公認車検を取得するのは難しい。

Q.車検に通れば取り締まりは対象外ですよね?

A.必ずしもそうとは言い切れないのが難しいトコロ

しっかり公認車検を取得すれば、どんなにド派手なチューニングやカスタマイズがなされている車両であっても、大手を振って公道を走行することができる。しかし、絶対に取締りを受けることがないとは言い切れない。例えば三角停止板を車載していなくても車検に合格することはできるが、そのままの状態でトラブルが発生し高速道路上に立ち往生してしまうと「故障車両表示義務違反」として行政処分と反則金を納めることになる。そしてもちろん、公認取得から時間が経過して保安基準に適合しない部分が出てきた際も当然ながら取締りの対象となってしまう。各ページに注意事項として記載しているが、車検の基準と整備不良や不正改造とは別とされている部分があるということも頭にいれておいてほしい。

※本特集で掲載している車検の情報は、陸運支局ごとの判断などにより見解が異なる場合がありますのでご注意ください。また、 整備不良や不正改造の取り締まりと見解が異なるケースもあるので、ご自身の責任にてカスタマイズを行ってください。

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SUBARU STYLE(スバルスタイル) Vol.9より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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