世界トップクラスの走行距離など、話題性満載の注目車
トヨタ・bZ4Xとスバル・ソルテラは、両社が対等の立場で開発した世界戦略EV。トヨタは1996年、世界で初めて市販車にニッケル水素電池を積んだRAV4 EVを発売。スバルは95年にモーターとMTを組み合わせたサンバーEVを市販化している。
テスラなどに比べて、バッテリーEVの投入が遅いという声も聞こえるが、22年年央の発売を控え、世界トップクラスの一充電走行距離530km(2WD車。4WD車は460km)を実現したのはさすがだ。
日産アリアは、最高で610km、テスラ・モデルSは、637kmと公表されているが、バッテリーを多く積めば(価格も高く、重くなるが)巡行距離を延ばすことはできる。
価格と性能のバランスを考慮して航続距離が決定されたといえる。両モデルともに、ヒートポンプ式エアコンの採用などで航続距離が短くなる冬でも実用になる性能を維持し、10年後に90%という世界トップの電池容量維持率を目指したのも見逃せない。
ソルテラには、自慢の「アイサイト」は搭載されず、「トヨタセーフティセンス」を採用するが、スバルらしいレイアウトや機能が用意されている。4WDは、前後別々のモーターが前後輪をそれぞれ駆動するだけでなく、悪路走破性を高める「X-MODE」を搭載。
それに、パドルシフト式の回生ブレーキコントロールが備わる。そして、ヘキサゴングリルの採用など、スバルのSUVらしいエクステリアデザインが採用されている。
一方のbZ4Xは、「beyond Zero」から車名の2文字を取るなど、電動化フルラインアップの一翼を担うモデルと位置づけている(4は車格やサイズ、Xはクロスオーバーを意味する)。
bZ4Xには、ソルテラでは未設定のステアbyワイヤシステムを一部車種に採用。ワンモーション式となるステアリングの回転角度は、持ち替えの必要がない150度(プラス/マイナス)で、新しい操舵感覚をもたらしてくれるはずだ。
さらに、ルーフソーラーパネルの採用もプリウスPHVで実装済み。エクステリアは、「ハイテク&エモーション」というコンセプトにふさわしく、実車を見るとより鋭利で、力強さを感じさせる。先進的な雰囲気はハリアーやレクサスNXよりも断然濃い。
対等の立場で開発されたというだけあって2社の個性がそれぞれ反映されていて、足まわりのセッティングも異なる。86/BRZとは違うスタンスから生まれた共同開発車であることが伺える。
【トヨタ・bZ4X】
【グレード/FWD車(4WD車)】
全長×全幅×全高(mm)●4690×1860×1650
ホイールベース(mm)●2850
室内長×室内幅×室内高(mm)●1940×1515×1160*
車両重量(kg)●1920〜(2005〜)
一充電走行距離(km:WLTCモード)●500前後(460前後)
モーター種類●交流同期電動機
モーター最大出力(kW)●150(150+80)
システム最大出力(kW)●150(160)
駆動用バッテリー●リチウムイオン電池
総電力量(kWh)●71.4
乗車定員(名)●5
0→100km/h加速(秒)●8.4(7.7)
( )内は4WD車。*ノーマル/ソーラールーフ仕様。パノラマルーフ仕様の全高は1145mm。
【SUBARU ソルテラ】
【グレード/FWD車(AWD車)】
全長×全幅×全高(mm)●4690×1860×1650
室内長×室内幅×室内高(mm)●1940×1515×1160*
一充電走行距離(km:WLTCモード)●530前後(460前後)
モーター種類●交流同期電動機
モーター最大出力(kW)●150(150+80)
システム最大出力(kW)●150(160)
駆動用バッテリー●リチウムイオン電池
総電力量(kWh)●71.4
タイヤサイズ●235/60R18(235/60R18または235/50R20)
( )内は4WD車。*ノーマル/ソーラールーフ仕様。ガラスルーフ仕様の全高は1145mm。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]