【連載 ミニバンの起源 5-3】高級ミニバンとして盤石の地位を築いた、2代目アルファードのデビュー

アルファードの続きヴェルファイアも! 人気を不動のものにしたKING OF MINIVAN【連載「ミニバンの起源」第5回 高級化の流れ 後編】

現在、トヨタのアルファード/ヴェルファイアが圧倒的人気の大型高級ミニバン市場。だが、この市場に火をつけたのはトヨタではなかった。1990年代、経営不振に苦しむ日産だったが、国内では無敵ともいえる大ヒットミニバンを世に送り出していた。高級ミニバンの元祖、エルグランドである。そして現在、圧倒的人気を博しているのがアルファードだ。

ハイブリッドモデルも追加され、高級ミニバン市場No.1に!

初代アルファードはエルグランドとの戦いに勝利し、高級ミニバン市場ナンバー1に躍り出た。さらに2003年にはハイブリッドモデルも投入し、人気を不動のものとした。

大成功モデルゆえ、コンセプトは変えようもない。2008年に2代目のアルファードが登場。まさに初代をブラッシュアップしたようなモデルで、洗練性を大きく高めた。驚いたのは、上下2分割のヘッドライトを採用するなどした兄弟車「ヴェルファイア」を設定したことだ。

このヴェルファイアは本家アルファードを凌ぐほどの人気を獲得する。2011年にはハイブリッドモデルを設定し、人気を盤石なものにした。

2015年に登場した3代目(ヴェルファイアは2代目)もコンセプトは不変。誰もが振り返るようなド迫力のフロントフェイスを備え、2.5Lの新エンジンも搭載した。もちろん当初からハイブリッドも用意され、大型のミニバンながらJC08モードで驚異の19.4km/Lを達成。高級ミニバン市場でひとり勝ち状態が続いている。

国内市場でレクサスにはミニバンが存在しない。ゆえにアルファード/ヴェルファイアは、トヨタ系でもっとも高級なミニバンであり続けられるわけだ。

2代目 アルファード(2008年)

2代目アルファードは、上下分割ヘッドランプなど採用する兄弟車「ヴェルファイア」とともに登場。洗練度を高めつつ、さらに押しの強いスタイルを採用した。上級モデルには贅沢極まる「エグゼクティブパワーシート」を用意。2.4L、3.5L V6搭載車に加え、2011年にはハイブリッドモデルを復活させ人気は盤石に。

3代目 アルファード(2015)

さらに迫力を増したボディをまとう3代目(ヴェルファイアは2代目)。3.5L V6、新搭載の2.5Lに加え、高効率のアトキンソンサイクルエンジンを搭載するハイブリッドも用意する。自動ブレーキなどの安全運転支援システムに対応し、2019年には車載通信機DCMを標準装備した情報通信システムを新搭載している。

エルグランドはなぜ後塵を拝したのか?

2代目エルグランドは内外装のデザインが極めて凝っており、逆にやりすぎた感があった。また当初は3.5L V6のみだったのに対し、初代アルファードは2.4Lも用意して幅広い層に対応した。3代目でFF化されるが、全高を1815mmに留め、2代目アルファードの1890mmよりずっと低い。これがボディの迫力を若干スポイルしてしまった。低いほうが走行性能では有利だが、ユーザーはそこを重要視していなかったのだろう。アルファードはハイブリッドモデルが選べる点も有利。さらにモデルチェンジサイクルが長すぎた。2代目は8年、3代目は13年経ってもフルモデルチェンジされていない。だが2023年、待望の新型登場の噂が。eパワーも設定されるか?

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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