東海理化:見えないけど活躍する超音波センサの仕組み[人とくるまのテクノロジー展 2022 NAGOYA]

高級車を主に採用が進み始めた電動スイングドアについて、障害物などがあり開いてほしくないときに検知し、アクチュエータでストップさせる機構。その検知の部分について、東海理化が超音波センサを適用して解決した。

超音波センサを用いれば周囲の障害物を検知することは可能。しかし外板部品であるドアに、円形のセンサ部を穿つわけにはいかない。そうなると、ドアパネルの裏側で超音波センサを働かせることになるが、そうすると音波を放射してもドアパネル全体を震わせるだけで、外の障害物を検知することができない。

そこで東海理化は、センサを装着する部位にブチルゴムを塗布することで制振。さらにセンサとドアの密着度を高めることで、ドア外部の障害物検知を可能にした。現在はアルミパネルに最適化した設計だが、スチールパネルについてもその性状に合わせてチューニングすれば適用は可能。

冒頭の写真および上で示す図版は、室内側からみた角度。ドアパネル裏側に密着させるのは円筒形の部分で、その中心部に見慣れた超音波センサが備わる構造だという。

なお、超音波センサを通常どおり使うと2〜3mの検知が可能なところ、本機構では1m程度となる。性能としては低下しているものの、スイングドアの開閉軌跡上の障害物検知には十分な性能を発揮できているという。

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