世界的な人口増加とモビリティの発展により、タイヤおよびその主原料である天然ゴムの需要が増大する一方で、天然ゴムが生産されている地域での違法な森林伐採や土地収奪、人権侵害などの問題、生物多様性への悪影響などが懸念されている。横浜ゴムはこれらの課題解決に向け、2017年に国際ゴム研究会※2が提唱する天然ゴムを持続可能な資源とするためのイニシアティブ(SNR-i)に参画。さらに2018年に発足した持続可能な天然ゴムのための国際的なプラットフォーム(GPSNR)※3にて創設メンバーとして活動するとともに2021年には従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」を改定し、GPSNRの活動との連携を強めている。
横浜ゴムはこれまでにも2020年にタイ天然ゴム公社(Rubber Authority of Thailand, RAOT)と覚書を締結し、天然ゴム農家を継続的に支援しているほか、天然ゴムサプライヤーを対象とした交流イベント「サプライヤーズ・デー」や天然ゴムの品質や生産性に関するタイの大学との共同研究、天然ゴム農家の安定収入を支援する「アグロフォレストリー」の普及推進など独自の活動を通して天然ゴムの持続可能性実現に取り組んでいる。
※1:パラゴムノキからゴム分を含む樹液成分であるラテックスを採取するために樹皮に傷をつけること
※2:天然ゴム、合成ゴムの生産国と消費国の政府で構成される政府間組織
※3:GPSNR=Global Platform for Sustainable Natural Rubber