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ルーティンに合わせた機能の提案
今回の無線アップデートでは、車載システムに含まれる人工知能がオーナーの使用状況に応じて使用頻度の高いアプリケーションを優先してトップメニューに配置。また、メニュー全体のアプリ配置を簡潔にすることで視認性を大きく向上している。MBUXシステムの明確なユーザーインターフェース(UI)表示、オーナーの車両の使い方に合わせた学習モードなどがメインになっている。UIのアップデートにより、サブメニューをスクロールすることなく直感的に操作することができるように。さらに、システムがドライバーを理解して典型的な設定や経路を記憶。適切なタイミングで、それぞれの運転状況に合わせてパーソナライズされたインフォテインメント、快適性、車両機能を提案する機能が追加される。
例えば、あるドライバーは毎晩仕事から帰宅する際に家族に電話をかけるとする。車両はこの習慣を学習し、将来的にはこの時間に電話をかけることをトップメニューの選択タイルに直接提案する。もちろん、ドライバーは必要に応じて「今すぐには提案しない」機能でこの提案を拒否することも、「二度と提案しない」機能で永久に削除することもでき、これらの希望は車両が記憶する。
ナビゲーションは、ラジオ/メディア、電話に次いでユーザーにとって最も重要な機能であるため、今回のアップデートでは常に画面ユニットの中心に表示されるようになった。長距離移動時のマッサージなどのENERGIZING COMFORTプログラムから、接続されたスマートホーム機器からのステータス照会、電話のタイミングを提案する機能まで、20以上の追加機能が人工知能の助けを借りて、オーナーに関連するものを自動的に提供する。開発者は、ゼロ・レイヤーのインターフェースに表示されるこれらの提案モジュールを、社内で「マジック・モジュール」と名付けている。ゼロ・レイヤーは、2021年にオール電化モデル「EQS」と「EQE」でデビューして以来、21/2モデルイヤーに生産されるCクラス(206系)、Sクラス(マイバッハを含む223系)にも、他の将来シリーズモデルと同様に標準搭載されるようになった。
MBUXのアップデートについて
自由に選択できる無料の無線アップデートは、非常にシンプルな仕組みだ。Mercedes meアカウント所有者にはMBUXインフォテインメント・システムおよびアプリを通じて、アップデートが利用可能であるという通知が送信される。ダウンロードとインストールは、オーナーがソフトウェアアップデートのインストールに事前に同意した後、バックグラウンドで行なわれる。Mercedes meのアカウントをお持ちでない顧客には、アップデートの提供開始が郵送で連絡される。データの送信には、モバイル無線技術と車両に搭載された通信モジュールが使用される。オーナーは、セットアップアシスタントのメニューナビゲーションに従って操作するだけで、迅速かつ容易に新機能にアクセスすることができるようになっている。元のメニューを使い続けたい場合は、新旧のユーザーインターフェースに切り替えることも可能だ。これは、ホーム画面の表示に個人的な好みがあるドライバーにとっても便利な機能となっている。