ヨロズは980MPaの超ハイテンのプレス技術で軽量化=BEV時代に対応する【ジャパンモビリティショー2023】

サスペンション部品大手のヨロズは、ジャパンモビリティショー2023に「カーボンニュートラルへのチャレンジ、電動化時代に貢献する革新的技術」をテーマに出展した。トヨタ・プリウスやbZ4X、日産アリアに採用されているサスペンション部品を展示した。

10月26日午前のプレスカンファレンスでプレゼンテーションを行なったのは、平中 勉社長だ。ヨロズが注力するのは、軽量化だ。2020年比で2023年度には30%の軽量化を実現する計画が順調に進んでいるという。また、日本で販売されたBEVの80%にヨロズ製品が採用されているという。

ヨロズは、CO₂排出量削減に寄与する鉄製品の提案力の強化に取り組んでいる。

590MPa級のハイテン材をプレスして造ったプリウス用リヤサスペンションリンク
左が従来のリンクでパイプを溶接して造る。右がプリウス用の590MPaの平板。これをプレスしてリンクを造る。
トヨタ・プリウスのリヤサスペンション用リンクは、2.3mm厚の590MPa級の高張力鋼板をプレスして造る。平板にくりぬく工程を除いて8工程で造られる。
一枚の平板をプレスして造られていることがわかる。

注目は超高張力鋼板(980MPa級)の製品化による軽量化だ。現状、590MPaの高張力鋼板を使った製品はすでに実用化している。ブースには、トヨタ・プリウスのリヤサスペンションリンクが展示されていた。

このプリウス用リンクは、従来のパイプを溶接して造るタイプよりも軽いだけでなく、590MPaの高張力鋼板をプレスすることで造るので溶接が不要になる。また、鋼板のグレードは上がるが、板厚が薄くなるので軽くなり、トータルではコストも削減できるという。

展示されていた980MPa級を使ったリンク部品。超高張力鋼板のグレードが上がるほど、硬く割れやすくなりプレスの難易度は上がる。

現在780MPa級まで製品化の準備ができていて、さらに将来に向けて980MPa級でも造れるように開発を進めているという。

左が日産アリアのフロントサスペンションメンバー。右がトヨタbZ4Xのリヤサスペンションメンバー。
テーラードブランク材をプレスして造り、7%の軽量化とCO₂排出量15%減/台を実現した。

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