~RAファミリの新マイコンを、2022年第1四半期にサンプル予定~

ルネサス:最新規格Bluetooth 5.3 Low Energy対応、次世代無線マイコン開発を発表

ルネサス エレクトロニクスは、最新のBluetooth 5.3 Low Energy(LE)規格に対応する新たなマイコンを開発中であることを発表した。2022年第1四半期に最初のサンプルを予定している。このマイコンは、2020年5月に発売したBluetooth 5.0 LE対応のRA4W1に続くもので、Arm Cortex-Mコアを搭載した32ビットマイコンのRAファミリに加わる。

 Bluetooth SIGの新規格Bluetooth 5.3は、2021年7月13日に発表された。この規格には、レシーバのデューティサイクルを改善するためにレシーバでホスト層を動作させることなくメッセージのフィルタリングが行える等の重要な新機能が含まれている。また、スループットと信頼性を向上させるため、ペリフェラル機器からセントラル機器に優先チャネル情報を提供できるようになっている。さらに、たびたびバーストトラフィックに切り替えなければならないアプリケーション向けに、低デューティサイクルと高デューティサイクル間の切り替え時間を短縮するサブレート接続も追加されている。これらの機能に加え、ルネサスの新マイコンは、Bluetooth 5.1で追加された方向検知機能、およびBluetooth 5.2でステレオオーディオ伝送用に追加されたアイソクロナスチャネルにも対応予定。また、ソフトウェア無線(SDR)機能の搭載により、ユーザは後日リリースされる新たな規格への移行が可能。

 ルネサスは、Bluetooth対応製品開発の長い歴史と、Bluetooth LEデバイス設計における深い専門知識を持っている。新たに開発される製品は、アプリケーション開発を容易にするRAファミリのFlexible Software Package(FSP)でサポートされ、さらにBluetoothのカスタムプロファイル用プログラムを生成しユーザのアプリケーションプログラムに組み込むことができるアプリケーション開発支援ツールのQE for BLEでもサポートされる。従来のRAファミリと同様、TrustZone対応の高レベルなセキュリティやセーフティメカニズムも、新製品の特長となる。高性能かつ低消費電力で、小型パッケージのオプションも用意する予定。

ルネサスのIoT・インフラ事業本部、MCUビジネス担当の執行役員であるRoger Wendelken氏は次のように述べている。
「ルネサスの使命は、最高のパフォーマンスと使いやすさ、そして最新機能を備えた製品を提供することです。Bluetooth 5.3 LE規格に対応した製品を早期に提供することで、ルネサスのRAファミリをお使いいただくお客様がいち早く次世代製品を市場に出せるよう強固にサポートします」

 ルネサスは、新たなBluetooth 5.3 LE対応マイコンと、補完的なアナログ、パワーおよびタイミングデバイスを組み合わせたウィニング・コンビネーションを提供する準備もしている。ウィニング・コンビネーションは、動作確認済みの使いやすい組み合わせを提案することにより、設計のプロセスを簡素化し、幅広い用途においてユーザの設計リスクを軽減する。

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