今般、研究グループは同じ酵素グループに属していて構造が類似しているトマト由来の酵素(短鎖を合成)と、天然ゴムを合成する酵素(長鎖を合成)の構造を比較することで、鎖長に影響を及ぼす重要部位を発見した。
さらに、トマト由来酵素の重要部位を、天然ゴム合成酵素の重要部位と置き換えた改変酵素では、天然ゴムと同程度の鎖長のポリイソプレンを合成することが発見された。この改変酵素を用いることで、天然ゴム合成酵素とは異なる開始基質を利用可能となり、その反応生成物として自然界には存在しないバイオポリマーの合成に成功した。
図中で赤く囲われているのは、鎖長の影響を及ぼす重要な部位である。


①通常の天然ゴムを合成。
②トマト由来酵素では短鎖しか合成できない。
③改変酵素を触媒とすることで、天然ゴムと異なる構造で、天然ゴムと同程度の鎖長を持つバイオポリマーの合成に成功