シェフラー:革新的サーマルマネージメントモジュールでアフターマーケット向けラインアップを拡充

シェフラーは自動車メーカー各社と緊密に協調し、同社は各冷却回路で冷却液の温度をシステムの要求値に合わせて管理するサーマルマネージメントモジュールを開発したことを発表した。

 シェフラーのオートモーティブアフターマーケット部門は、INAブランドで取り扱うサーマルマネージメントモジュール製品の拡充を図っている。シェフラーは、2011年に第1世代となるサーマルマネージメントモジュールの量産を開始して以来、数多くの量産車向けに同製品を供給している。

 シェフラーは自動車メーカー各社と緊密に協調し、当社は各冷却回路で冷却液の温度をシステムの要求値に合わせて管理するサーマルマネージメントモジュールを開発した。これにより、エンジンの動作温度をこれまで以上に迅速に最適レベルに到達させることができる。この技術の導入で運転の快適性と燃費は向上し、CO2排出量を削減させることに成功している。現在、第2世代は独立系アフターマーケット市場向けにシェフラーが独占で販売しており、完成された修理ソリューションとして提供しされている。

サーマルマネジメントモジュール第2世代

 サーマルマネージメントモジュールは第2世代でも依然としてロータリースライドバルブを採用した構造で、走行状態に応じた冷却液の管理を行っている。一方、アクチュエーターを採用した新設計では、2つの独立したロータリースライドバルブを使用し、機能の大幅な改善を図っている。この2つのバルブの内1つはラジエーターからの冷却液の流出入を管理し、もう一方がシリンダーヘッドおよびブロック内の冷却回路の遮断を行う。このバルブの働きにより、いわゆる「分割冷却」コンセプトを実現させているのである。

「分割冷却」は、内燃エンジン車のストップ・スタートシステムやハイブリッドシステムによって高負荷となるエンジンの冷却要求に応えるコンセプトである。よりターゲットを絞った分割冷却を行うことで、シリンダーヘッドおよびブロック内の温度を最適に維持する。温度を最適に維持できれば、ハイブリッド車の電気モーターからの切り替え時や、ストップ・スタートシステムで長時間停止させていたエンジンを始動する際に燃焼室に発生する摩擦を大幅に軽減することができる。摩擦が軽減すれば、燃焼は最適化され、摩耗やCO2排出量の削減にもつながる。

 シェフラーオートモーティブアフターマーケット部門プロダクトマネージメント担当責任者のマイク・エバース氏は次のように説明している。
「サーマルマネージメントは車両のエネルギー効率向上とCO2排出量削減において、中心的役割を果たす技術です。現代の車両システムにおいて冷却・熱回路はますます複雑化しています。これを高精度でインテリジェントに制御することにより、影響を受けるすべてのシステムを最適温度範囲に常時、確実に維持することができるのです。これが環境を保護し、同時に車両部品の製品寿命も延長させます。世界的自動車メーカー各社の開発動向に合わせ、シェフラーはサーマルマネージメント製品の開発に絶えず取り組んできました。このサーマルマネージメントモジュールをハイブリッド車向け修理ソリューションとしてアフターマーケット市場に初めて提供するサプライヤーとなることを誇りに感じています」

対象範囲の拡大、BMWおよびMINI向け修理ソリューション

 これまで、シェフラーが独立系アフターマーケット市場で販売するサーマルマネージメントモジュールは、フォルクスワーゲン車両向け専用だった。今回、この対象が広がり、BMWおよびMINI車のエンジンにも提供できるようになった。対象となるエンジン部番は、3気筒エンジン(B38)および4気筒エンジン(B48)の538 0810 10と、6気筒エンジン(B58)の538 0811 10。この2種類の部番は現在世界で200万台以上の車両に搭載されており、今後3年間でその台数は2倍になる見込み。

B58エンジン 538 0811 10
B38/B48エンジン 538 0810 10

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