TOYO TIRE:通年使用を考えたコミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937」を発売

TOYO TIREは、コミュニティバス専用スタッドレスタイヤ「M937(エムキュウサンナナ)」を新商品として9月1日より国内市場で発売することを発表した。なお、発売サイズは1サイズ、価格はオープン価格となっている。

コミュニティバスは、これまで公共交通機関が整備されていなかった地域における新たな移動手段としての運用や、大型路線バスの通行が困難な区間などにおける交通ネットワークの補完といった目的で地方自治体や大手バス事業者が導入している。国土交通省の調査では、導入事例数が2009年から10年間で約1.5倍増加している。

コミュニティバスは一般の路線バスに比べて狭い道路を走行するため、低速での発進、信号の無い交差点での停止や右左折も頻繁に行なう。タイヤにかかる負荷の大きい使用環境となることから、偏摩耗の発生や摩耗促進による早期交換の課題を抱えているバス事業者も多く存在する。
また、降雪が少ない地域であっても、突然の積雪時における走行安全性を確保するため、スタッドレスタイヤを装着するバス事業者が増加している。夏タイヤから履き替える場合は、2種類のタイヤを準備するコストのほか、交換作業や保管などのメンテナンスも課題となる。一方で、スタッドレスタイヤを使い続ける場合は、摩耗が促進されて一年を通して使用できないケースも散見されている。

今回、発売されるM937は、通年での使用を考慮して開発したコミュニティバス専用スタッドレスタイヤである。
タイヤが路面に接地するトレッド面全体の幅を広く確保し、大型のブロックを配置することで、タイヤにかかる負荷を分散させてゴムの過度な動きを抑制している。この結果、耐摩耗性能が向上し、推定摩耗ライフが当社従来品(M935)比で38%向上した。また、縦方向に刻まれた溝の幅を広げることによって、雪が目詰まりすることを防ぐとともに、サイプと呼ばれる細かい溝をトレッド面のブロックに高密度で配置することによって、積雪や凍結した路面における走行性能を確保した。

パターン設計
耐摩耗性能
実車評価で、推定摩耗ライフ38%向上(当社従来品M935比)

テスト条件

  • 評価サイズ:205/80R17.5 120/118N
  • 場所:香川県丸亀市内
  • 同一ユーザー、同一路線、同一車 2台のリア軸にM937、M935を左右2本ずつ装着
  • 使用車両:日野 ポンチョ 
  • 車軸配列:2-D 
  • リムサイズ:17.5×5.25
  • 空気圧:700kPa(顧客管理指定空気圧)
  • 走行距離:10,995km
  • ローテーション:あり(5,327km)
  • 評価方法:リア軸の総平均推定摩耗ライフを比較(取り外し残溝3.2mmで計算)

「M937」発売サイズ

  • タイヤサイズ:205/80R17.5 120/118N
  • 発売開始時期:2022年9月

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部