2016年に発売された二代目「NSX」のために縦置き専用で開発されたV型6気筒ツインターボエンジンがJNC型。少量生産エンジンだけにシリンダーは砂型鋳造によるクローズドデッキ構造を採る。理想的なブースト圧を105kPaに設定し、10.0という高圧縮比とすることで高出力化を達成。VTCを駆使し筒内直噴+高タンブル吸気ポート、プラズマ溶射シリンダーなどでノッキングを抑制する。
Vバンクは、V6としてはイレギュラーな75度としたうえでドライサンプ潤滑方式を採用。スイングアーム式の小型バルブトレーンを採用することでシリンダーヘッドを大幅にコンパクト化し、低重心設計を突き詰めることで運動性能の向上にも寄与している。さらにエンジン性能の向上とNV 最小化を目指して、ピストンウェイトの厳密な管理やダミーヘッドホーニングといった高精度生産技術により組み立てられている。
2代目NSXの最終モデルとして登場したタイプS用は、ターボチャージャーの過給圧を5.6%アップし、燃料噴射流量を25%アップ、同時にインタークーラーの放熱量も15%上げることで従来モデルの
最高出力:507ps(373kW)/6500-7500rpm
最大トルク:550Nm/2000-6000rpm
を
最高出力:529ps(389kW)/(6500-6850rpm)
最大トルク:600Nm/2300-6000rpm
へと22ps(16kW)、50Nm、出力・トルクを向上させた。
BMEP(正味有効平均圧=Break Mean Effective Pressure)は、従来の19.8barから21.6barへと上がっている。
タイプSは、モーターと合わせたシステム最高出力も従来モデルの581psから610ps、システム最大トルクも646Nmから667Nmへと向上している。
■JNC(Type S) 気筒配列:V型6気筒 給気方式:ターボチャージャー 排気量:3492cc カム配置:DOHC 内径×行程:91.0mm×89.5mm 吸気弁/排気弁数:2/2 圧縮比:ー(従来モデルは10.0) バルブ駆動方式:スイングアーム 最高出力:529ps(389kW)/6500-7500rpm 最大トルク:600Nm/2300-6000rpm 燃料噴射方式:DI+PFI VVT/VVL:In-Ex/×