トヨタUS、水素社会へのコミットメントを発表。フリート、インフラ、次世代システムを初披露し水素トラックを導入する計画

トヨタの北米部門であるトヨタ・モーター・ノースアメリカ(TⅯNA)は、「アドバンスド・クリーン・トランスポート・エキスポ(ACT Expo)」において、水素関連計画、投資、および新たな燃料電池技術・製品に関する次世代システムを発表し、水素社会へのコミットメントについて提言した。

トヨタ北米部品センターフリートに水素トラックを導入

今回のリリースでカリフォルニア州南部を拠点とするトヨタ・ノースアメリカン・パーツ・センター(TNAPC)の車両に水素トラックを導入する計画について発表され、水素インフラへの投資でトラック車両と消費者に恩恵があることが提言された。また、TⅯNAは、トヨタの水素関連製品、サービス、ソリューションに興味を持つ企業向けのビジネスハブとして、新たな商用向けウェブサイト「Toyota Hydrogen Solutions」の公開も併せて発表した。

燃料電池を搭載したクラス8の大型トラックがパイロットフェーズを終了し、北米トヨタが物流車両として量産レベルのFCEVトラックの導入を本格的に開始する。これらのトラックは、カリフォルニア州ロングビーチ港からオンタリオ州のNAPCCまでのルートを運行し、さらに南のサンディエゴまで延伸する予定とされている。

計画実現のため、トヨタはエア・リキードとイワタニと協力し、燃料供給インフラの強化を進めている。イワタニとの協力では、新しい液体水素技術とSAE J2601/5規格に対応した高流量燃料供給システムを採用した最先端のステーション焦点が当てられており、この高流量システムは、従来の水素燃料供給ステーションよりも迅速な燃料補給を可能にし、ディーゼル燃料ポンプと同等の燃料補給時間を実現。特に、フリートや商業顧客の運用効率向上に貢献する。

エア・リキードとは、ネバダ州ノースラスベガスにあるエア・リキードの専用水素モビリティプラントから水素分子を調達・供給する取り組みが共同で進められている。特に、NAPCCステーションへの信頼性が高く、コスト効率の良い液体水素の供給に焦点が当てられている。

日本国内では、トヨタは チヨダと電解技術で協力し、工業製品とプラントエンジニアリングの専門知識を組み合わせた開発を推進している。電解装置は、水分子を水素と酸素に分解し、水素燃料を生成する装置で、家畜の排泄物、下水処理施設、廃棄物埋立施設から発生するメタン副産物から水素を抽出する技術の開発も進められている。

商用向け水素ビジネス特化のWebサイトが公開

トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMNA)は、トヨタの水素関連製品、サービス、ソリューションに興味を持つ企業向けのビジネスハブとして、新たな商用向けウェブサイト「Toyota Hydrogen Solutions」の公開を発表した。新ウェブサイトでは、製品情報、事例紹介、お問い合わせ先が提供され、顧客がトヨタの確立された水素燃料電池技術を活用した排出量削減の道筋を見つけるための支援が行われる。

この新ウェブサイトは、トヨタが燃料電池技術がよりクリーンな電力源としてデバイスや車両のパワートレインを駆動する電力を生成する方法を展示する「アドバンスト・クリーン・トランスポーテーション・エキスポ」で発表された。これらの燃料電池の多くは既にトヨタのサプライチェーンにおける排出量削減に貢献しており、現在トヨタは北米の顧客にも同様の取り組みを支援する機会が提供されている。

燃料電池の応用分野には、固定式発電システム、クラス8セミトラックのパワートレイン、モジュール式商業用システム電源、その他のイノベーションが含まれている。

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