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欧州の物流を水素燃料で
フランスの道路貨物輸送を扱う新興企業「Hyliko（ハイリコ）」が、トヨタの第2世代水素燃料電池モジュールを大型トラックに搭載しゼロエミッションとして提供する計画を推進させていることが、欧州トヨタより発表された。今回、トラック分野での提携をはじめ、欧州トヨタは鉄道、バス、発電機、船舶など、様々な分野で水素ソリューションのための燃料電池技術を提供するパートナーシップのポートフォリオをさらに拡大させる旨を発表している。
欧州トヨタは、燃料電池事業におけるゼロエミッションの水素モビリティの成長を加速させる手段として、より広い商用車分野への拡大を目指している。特に、欧州の道路で輸送される全貨物の77％を輸送するトラックは、ゼロエミッションにおける大きな可能性を秘めていると考えられている。
水素システムは質量が小さいため積載量を増やすことができるが、利用率の高い大型商業輸送には水素の高速充填が不可欠である。商用トラックの利用形態や、より大量の水素を必要とすることから、持続可能なインフラ整備に貢献する重要な存在として位置づけられている。トヨタは、すでに複数のトラックパートナーとともに、燃料電池技術の大型輸送への統合に取り組んでいる。
2019年に始まった米国のZANZEFF「Shore to Store」プロジェクトでは、燃料電池電気トラックがディーゼルの性能に匹敵することが判明し、商業展開に適したゼロエミッションの代替手段を提供できる可能性が見出されている。
ハイリコ提供の水素燃料トラック
欧州トヨタは、ハイリコとのパートナーシップを、欧州における水素エコシステムのための新たなステップとして捉えており、需要と供給の両方を刺激して実行可能なビジネスモデルへと育て上げる方針を示している。水素エネルギーは欧州のエネルギー戦略の重要な柱であるため、欧州トヨタは水素エコシステム内の様々なタイプの燃料電池アプリケーションを優先的に拡大させている。欧州トヨタのパートナーシップ戦略は、異なるビジネスセクター間のシナジーを開発し、本格的な水素コリドーへのさらなる拡大を望むコミュニティを支援することを目的としている。
ハイリコは、燃料電池を搭載した44tトラクターと26tストレートトラック（6×2と6×4のバリエーション）の2モデルのトラックを提供する。これらの車両には、それぞれ2台のトヨタ製燃料電池モジュールが搭載される予定。トラックリースの一環として、ハイリコは、燃料の生産、貯蔵、流通を含む独自のグリーン水素インフラを導入する方針を示している。
