CN社会の実現に貢献するため、いすゞグループは、2030年までに全車種に電動化商品を展開することを掲げている。その主力を担うと期待されるバッテリー電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCEV)は、従来の内燃機関車と大きく異なるコンポーネントで構成されており、今後、商用車に最適な電動車両の開発をさらにスピーディーに進めるためには、いすゞが自らシステムやコンポーネントを評価・開発し、より高い次元の車両開発へとつなげることが不可欠とされる。そこで、いすゞは、藤沢工場内に電動コンポーネント開発のための新たな実験・評価設備を導入することとした。
新設する電動開発実験棟には、バッテリー・モーター・EVシステム・熱マネジメントなどの実験・評価設備を採用。バッテリーの特性を詳細に把握することにより、最大限のパフォーマンスを発揮させるバッテリーマネジメントが実現される。さらに、バッテリー・モーターなどのEVコンポーネントを組み合わせた状態で機能を最適化するとともに、システム全体の熱マネジメントの最適化が実現可能となる。また、FCEVシステムの実験・評価設備の活用により、システムレベルで高度なエネルギーマネジメントおよび熱マネジメントの最適化を行い、航続距離と走行性能の改善に寄与する。これらの機能を電動開発実験棟に導入することで、よりスピーディーな電動車両の開発が実現される。
名称 | 電動開発実験棟「The EARTH lab.」* |
場所 | 藤沢工場 第1・第2実験棟跡地 |
面積 | 建築面積;約5,700㎡、延べ床面積;約27,000㎡ |
高さ | 約40m(地上5階建) |
投資総額 | 約400億円 |
稼働開始時期 | 2026年6月(計画) |
主な実験・評価設備 | バッテリー・モーター・EVシステム・熱マネジメントの各実験・評価設備ほか |
主な仕様・特徴 | 屋上および側壁に太陽光パネルを設置 実験棟内の各設備から回収した排熱を空調に利用することにより、CO2排出量を削減 バッテリーの実験・評価設備の電力回生により、同設備の消費電力を削減 |