物流業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル(CN)社会の実現が急がれるなか、昨今の慢性的なドライバー不足の状況に2024年問題が間近に迫り、課題の深刻さが増している。これらの課題に対し、いすゞは初となる量産BEV「エルフEV」を2023年春に市場投入した。この「エルフミオEV」は、普通自動車免許でも運転できる、車両総重量3.5t未満の小型BEVとなる。いすゞのコネクテッド技術を応用した「PREISM」を装備、事務所など遠隔地でもバッテリーの充電・劣化状況など車両コンディションを把握できるほか、万一の故障の際は、いすゞサービス工場が遠隔車両情報を活用し、迅速に修理対応する。
さらにBEV特有の課題に対し、導入検討のサポート(BEVの運行シミュレーションなど)、導入課題の解決(充電器設置・最適な充電スケジュールの提案など)、導入効果の定量化(CO2削減量効果分析など)といった、車両にとどまらないトータルソリューションプログラム「EVision(イービジョン)」を顧客へ提供することにより、いすゞはハードとソフトの両面からベストなBEV導入およびCN戦略の立案をサポートする。
リアボディの架装性についても、いすゞの商品開発の基盤である「I-MACS」を用いることで、車両の操作系やレイアウトをディーゼル車と可能な限り共通化している。これにより、これまでディーゼル車でお使いいただいていた、さまざまな架装にも対応でき、顧客は利便性を損なうことなくBEVを導入することができる。
また、キャビンの乗り心地や空間にも気を配り、ステアリングの小径化やシートの素材向上・スライドピッチの最適化など、ドライバーにとって快適なキャブ空間が実装されている。さらに、大切なドライバーの安全を確保するため、小型クラスながらも、先進の安全装備および運転支援機能が搭載された。
■「エルフミオEV」主要モデル諸元
型式 | ZAB-NHR48AF |
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荷台 | 木製平ボディ |
主な仕様 | 普通自動車免許対応(車両総重量3.5t未満) |
標準キャブ/標準ホイールベース/フラットロー | |
モーター種類 | 交流誘導電動機 |
バッテリー種類 | リチウムイオンバッテリー |
モーター最高出力 | 90kW |
モーター最大トルク | 370N・m |
バッテリー容量 | 40kWh(社内参考値) |
充電方法 | 普通充電/急速充電(CHAdeMO方式) |
一充電走行距離 | 115㎞(WLTCモード)国土交通省審査値 |
全長 | 4,690mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,965mm |
最大積載量 | 1,050kg |
車両総重量 | 3,490kg |
最小回転半径 | 4.4m |
乗員 | 3名 |