いすゞ「エルフEV」に車両総重量3.5t未満モデルを追加。普通自動車免許でも運転できるBEVトラック

いすゞ自動車は、小型トラックの量産バッテリーEV(BEV)「エルフEV」に車両総重量3.5t未満の「エルフミオEV」を新たに追加し、本日より販売を開始したことを発表した。ドライバー不足の問題にも着目し、2017年に改定された普通自動車免許でも運転できる車両総重量3.5t未満の小型BEVトラックとなる。

物流業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル(CN)社会の実現が急がれるなか、昨今の慢性的なドライバー不足の状況に2024年問題が間近に迫り、課題の深刻さが増している。これらの課題に対し、いすゞは初となる量産BEV「エルフEV」を2023年春に市場投入した。この「エルフミオEV」は、普通自動車免許でも運転できる、車両総重量3.5t未満の小型BEVとなる。いすゞのコネクテッド技術を応用した「PREISM」を装備、事務所など遠隔地でもバッテリーの充電・劣化状況など車両コンディションを把握できるほか、万一の故障の際は、いすゞサービス工場が遠隔車両情報を活用し、迅速に修理対応する。

さらにBEV特有の課題に対し、導入検討のサポート(BEVの運行シミュレーションなど)、導入課題の解決(充電器設置・最適な充電スケジュールの提案など)、導入効果の定量化(CO2削減量効果分析など)といった、車両にとどまらないトータルソリューションプログラム「EVision(イービジョン)」を顧客へ提供することにより、いすゞはハードとソフトの両面からベストなBEV導入およびCN戦略の立案をサポートする。

リアボディの架装性についても、いすゞの商品開発の基盤である「I-MACS」を用いることで、車両の操作系やレイアウトをディーゼル車と可能な限り共通化している。これにより、これまでディーゼル車でお使いいただいていた、さまざまな架装にも対応でき、顧客は利便性を損なうことなくBEVを導入することができる。

また、キャビンの乗り心地や空間にも気を配り、ステアリングの小径化やシートの素材向上・スライドピッチの最適化など、ドライバーにとって快適なキャブ空間が実装されている。さらに、大切なドライバーの安全を確保するため、小型クラスながらも、先進の安全装備および運転支援機能が搭載された。

■「エルフミオEV」主要モデル諸元

型式ZAB-NHR48AF
荷台木製平ボディ
主な仕様普通自動車免許対応(車両総重量3.5t未満)
 標準キャブ/標準ホイールベース/フラットロー
モーター種類交流誘導電動機
バッテリー種類リチウムイオンバッテリー
モーター最高出力90kW
モーター最大トルク370N・m
バッテリー容量40kWh(社内参考値)
充電方法普通充電/急速充電(CHAdeMO方式)
一充電走行距離115㎞(WLTCモード)国土交通省審査値
全長4,690mm
全幅1,695mm
全高1,965mm
最大積載量1,050kg
車両総重量3,490kg
最小回転半径4.4m
乗員3名

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部