デンソー、「V2H-充放電機」次期モデル受注を開始。設置の自由度や非常用電源としての使い勝手が向上

デンソーは、2024年3月中旬よりデンソーソリューションを通じて 、BEVやPHEV向けの双方向給電装置である「V2H(Vehicle to Home)-充放電器」の次期モデルの受注を開始することを発表した。近年、停電時には電動車両に貯めた電気を住宅で活用できるV2H-充放電器への需要が高まっているが、同社は2019年に初のV2H-充放電器を発売。今回の次期モデルは前モデルよりも設置の自由度や使い勝手、性能が向上している。

次期モデル「V2H-充放電器」の主な改良点

次期モデルV2H-充放電器用プラグホルダ

■セパレート化と小型軽量化
パワーユニットとプラグホルダをセパレート化することで、設置の自由度と使い勝手が向上されている。また、前モデルは重さ約91kgだったが、次期モデルでは約63%の軽量化が実現され、約34kgの重さになった。これにより、車両周辺への据置きに加えて外壁への設置も可能になり、住宅に合わせて取り付け方を選択できるようになった。

■停電時の運転切り替えを自動化
停電発生時にはV2H -充放電器を用いることでBEVやPHEVを非常用電源として活用できる。前モデルでは、BEVやPHEVに貯めた電力で停電中の自宅内の電化製品を使うためには、V2H-充放電器側と車両側の双方において手動での切り替え操作が必要だった。本製品では、自動で設定が切り替わるように改良し、いち早く日常生活を取り戻せるようになった。

■充放電性能を効率化
V2H-充放電器は、家庭の交流電流を直流電流に変換して車両へ充電し、車両の直流電流を交流電流に変換して家庭へ放電を行う電気機器である。この変換時に発生する損失を、次期モデルでは低減することに成功している。出力電力が比較的少ない軽負荷時において、充放電性能の効率を約10%向上したことによって、より無駄なく電気エネルギーを使うことができるようになった。

 前モデル次期モデル
型式 DNEVC-D6075DNEVC-SD6075
外径寸法W809 × H855 × D337mm
(突起部含まず)
パワーユニット:W470 x H620 x D200mm
(突起部含まず)
プラグホルダ:W160 x H355 x D160mm
(突起部含まず)
重量約91kgパワーユニット:26.2kg プラグホルダ:7.9kg
出力連系時:6kW未満
自立時:6.0kVA未満
連系時:6kW未満
自立時:6.0kVA未満
冷却方式強制空冷(外部ファン使用)自然空冷
設置環境屋外、-20℃~+40℃
耐塩仕様
屋外、-20℃~+50℃
耐塩仕様(重塩害対応品もオプションで設定)
防塵防水性能IP46(換気部除く)IP55
製品仕様

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