神奈川工科大学の井上秀雄教授は、AD/ADAS(自動運転/先進運転支援システム)における「空白領域」を研究している。この空白領域とは、システムが適切に反応できず、ドライバーが介入しなければならない状況を指す。
例えば、並走するトラックが割り込んでくる場合、現在のAD/ADASは画像認識能力の限界により回避動作が間に合わず、ドライバーがブレーキ操作を行わないと衝突する危険がある。
井上教授の研究では、シミュレーターを用いてこれらの空白領域を再現・検証している。特に、リアルなシミュレーション画像を生成するためにNVIDIAのGPUが活用されており、これによりシステムの限界を精密に分析できる。教授は、シミュレーションと実走行を繰り返すことで、AD/ADASの認識能力の向上や知能化が必要であると強調している。
AD/ADASの誤作動や限界を指摘するこの研究は、ドライバーがシステムに不安を感じる原因を理解する上で重要である。ファントムブレーキのような問題も、知能化により改善が期待される。現在、井上教授はレベル4の自動運転を見据えた技術の検証手法を、商用化を目指しながら進めている。
詳細を読む→AD/ADASに存在する”空白領域”|神奈川工科大学の井上秀雄教授に訊く【AD/ADASの現状をおさらいする Vol. 4】