全固体電池待望論を超えて—ドライ電極がEV市場をリードする[自動車業界60秒ブリーフィング]

ドライ電極技術は、全固体電池の量産化が遅れる中で、リチウムイオン電池製造におけるコスト削減と効率化の重要な技術として注目を集めている。従来のウエット電極プロセスでは、乾燥工程が必要であり、多額のエネルギーと設備投資が求められていた。しかし、ドライ電極技術はこの乾燥工程を不要にし、エネルギーコストを大幅に削減できる点で画期的である。

テスラやVWをはじめとする大手メーカーが、ドライ電極技術の早期実用化を目指している。テスラは既に4680型電池に適用し、VWも2027年頃からの導入を計画している。これにより、製造コストの削減と生産性の向上が期待される。

一方で、全固体電池の量産化は2030年以降と見込まれており、それまでの間、リチウムイオン電池が主流であり続けるだろう。ドライ電極技術は、この期間中の競争力を左右する要因となり得る。自動車メーカーにとっては、全固体電池への切り替えを急ぐか、ドライ電極技術を活用して現在のリチウムイオン電池製造の効率を高めるか、慎重な投資判断が求められている。

詳細を読む→LIB製造コスト大幅改善に寄与する「ドライ電極技術」、全固体電池実現が遠のく市場の光明となるか

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