ヤマハ発動機は、今回の「Robotics Plus(ロボティクス・プラス)」社の買収に先立ち、デジタル技術を活用した農業ソリューションを提供するオーストラリアのスタートアップ「The Yield Technology Solutions(ジ・イールド・テクノロジー・ソリューション)」社(以下、The Yield社)の資産を買収し、オーストラリアに新しく設立した「Yamaha Agriculture Australia(ヤマハアグリカルチャーオーストラリア)」社にて資産継承している。また、この2社を子会社とする新会社「Yamaha Agriculture(ヤマハアグリカルチャー)」を米国に設立。これら一連の活動により、精密農業を可能にする自動化およびデジタル化のソリューションを開発・提供し、持続可能かつ収益性の高い農業の実現に貢献することが目指される。
Robotics Plus社は、ロボット工学、オートメーション化および解析技術をベースとした農業分野の自動化ソリューションを開発している。農薬等の散布に加え、除草などの機能を備えた農業用UGV*や、果物の自動パッキング機、木材丸太の自動計測装置の開発実績を有している。ヤマハ発動機は、農作業を自動化する技術の開発強化と、農業テクノロジー分野の事業開発を目的に、2017年からRobotics Plus社に出資している。
The Yield社は、高度なデータ解析とAIの活用により、収量予測を行うほか、薬剤散布、収穫などのタイミングの決定を支援して農場内外の作業を最適化するソリューションを提供する企業である。ヤマハ発動機は2021年にThe Yield社とスマート農業に関する共同開発契約を締結。データ収集・活用とロボティクス技術の組み合わせによる農業のスマート化を狙いとした共同開発を行っている。
「Yamaha Agriculture」は、ロボットソリューションと高度なデータ解析を組み合わせることで、北米、オーストラリア、ニュージーランドのワイン用ブドウ、リンゴなどの生産者が、投入コストの削減や、資源利用の最適化、生産性と持続可能性を向上できるよう支援する。2024年4月に登記を完了し、同年7月より一部事業が開始されている。
※UGV:Unmanned Ground Vehicle

