三菱自動車、Yanekaraと連携し倉敷市に公用車用の制御可能な充電設備/充電サービスを販売・導入

三菱自動車は、電気自動車の充電制御が可能な20基の充電設備および充電サービスを倉敷市に販売し、倉敷市役所本庁舎駐車場にて公用車の充電制御の運用を開始したことを発表した。倉敷市内に三菱自動車の軽BEV 生産拠点である水島製作所がある繋がりから、2022年3月に包括連携協定を締結するなど、カーボンニュートラル化の検討および公用車のBEV化の取り組みを推進している。

サービス提供の背景

倉敷市は、2021年6月に「2050 年ゼロカーボンシティ」へチャレンジすることを宣言しており、カーボンニュートラル化に積極的に取り組んでいる。三菱自動車は電動車の開発・製造・販売を通じて蓄積した知見を活かし、車両の走行データ分析や、公用車の利用実態の把握、EV導入におけるCO₂や燃料代削減効果の可視化等を実施している。三菱自動車の分析によると、倉敷市が運用するバンタイプの軽自動車をEVに置き換えることにより、1台あたり年間で約7.2万円の燃料費と約0.49tのCO₂を削減する効果があり、倉敷市は EVの導入促進を進めている。公用車にEVを初めて導入した2009年以降も台数を増やし続け、2025年度には本庁舎で運用されるEVが20台を超える見込みとされている。

一方で、本庁舎で運用されるEVの台数が多くなると駐車場の電気設備容量が不足し、その増強に多額の設備投資が必要になる。そこで三菱自動車から、倉敷市のニーズに対して最適な計画充電サービスの提案を受け、導入に至った。倉敷市では本サービスの採用により、安価にEVの充電制御が行えるようになり、電力使用の効率化を図ることで、さらなるEV導入の加速が可能となる。さらに、「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」を活用することで、導入コストの低減も併せて実現されている。

三菱自動車はEVの普及を加速させるため、EVの製造販売から運用支援までのワンストップサービスの提供を目指している。倉敷市への本サービスの提供はその一環で、多くのEVを運用することになる自治体・法人の設備投資や運用コストの低減に寄与することで、公用車・社用車のさらなる EVシフトを支援する。

提供サービスの概要

本サービスは、Yanekaraの提供するコンセントタイプの充電器「YaneCube」を用いてクラウド
から充電器を制御するものである。充電台数や充電時間を設定することで、ブレーカーの容量を超過せずに計画的に充電をすることが可能となる。また、大規模な設備投資をする必要がなく、本サービスの利用料金は YaneCube1台あたり月額500円(税抜)と安価に運用することができる。

【充電制御イメージ】
本サービス導入の効果①事前に設定した時間に充電開始時間をシフトするスケジュール制御

充電時間を制御することで、特定の時間に充電が集中することによる契約電力超過を解消することが可能となる。

本サービス導入の効果②事前に設定した電流の上限値の範囲内で充電台数を制御する上限値制御

同時に充電する台数を制御することで、既設のブレーカー容量でもできる限り多くの充電器を同時に運用することが可能となる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部