TOMONIの導入により、三菱パワーが納入する世界最高水準の大型高効率ガスタービンJAC(J-series Air-Cooled)形を中核とする57万2,000kW級の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備について、最新鋭のデータ分析アプリケーションソフトウェアを活用したリアルタイムの状態監視体制を構築。これにより、運用および保守(O&M)の高度化・効率化、 性能の最適化をはかり、脱炭素を含む環境負荷低減への貢献を目指す。
JAC形ガスタービンに採用されている最新の強制空冷燃焼器システムは、蒸気冷却方式に比べて起動時間を短縮できるとともに、タービン入口温度1,650℃という高温対応を可能とすることで発電効率が向上するなどの強みを持っている。上越火力発電所の1号機は2019年に建設を開始。すでにJAC形ガスタービンの据え付けも終わり、2022年3月予定の試運転開始を目指して、建設工事の6割を超えて進捗している。
一方、今回導入契約を結んだ最新のインテリジェントソリューションTOMONIは、各種サービスが顧客のパソコンからアクセス可能なクラウド・コンピューティングで利用できる。上越火力発電所の1号機には、O&M支援につながる多くの最新鋭のデータ分析アプリが導入されており、プラント効率、設備点検を最適化することで、CO2排出の削減、発電原価の低減、メンテナンス費用の最適化に貢献する。
これらの最新鋭アプリのいくつかは、三菱パワーの高砂工場(兵庫県高砂市)内のTOMONI HUBから遠隔操作する実証設備複合サイクル発電所(第二T地点)で、グリッド接続された実運用環境で長期的な信頼性検証が行われ、JAC形GTCCに対して初めて導入したもの。