ルネサス:車載インフォテインメント、コクピット、デジタルクラスタ向けに、第3世代R-CarのCPU性能を最大約20%向上したR-Car Gen3eシリーズを発売

ルネサス エレクトロニクスは、車載用R-Car SoC(System on Chip)の第3世代製品のCPU性能を向上させたR-Car Gen3eシリーズとして、「R-Car H3e」「R-Car H3Ne」「R-Car M3e」「R-Car M3Ne」「R-Car E3e」「R-Car D3e」の6製品のサンプル出荷を開始した。

 中でも、R-Car H3e、R-Car M3e、R-Car M3Neは、CPUの最大動作周波数を1.7GHzから2GHzと約20%アップし、性能も最大で50,000 DMIPSまで向上。これによりルネサスは、エントリからミッドレンジの車載インフォテインメント(IVI)、統合コクピット、デジタルインスツルメントクラスタ、ドライバモニタリングシステム、LEDマトリクスライトなど、高品質なグラフィックス表示を必要とする車載アプリケーション向けにR-Carを拡充し、スケーラブルなラインアップを提供する。新製品は、従来の第3世代R-Carとピン互換かつ完全なソフトウェア互換のため、ユーザは容易にシステムのアップグレードが可能となり、新しいアプリケーションの追加や大型のディスプレイによるユーザエクスペリエンスの向上、セキュリティ機能の強化、安全性の向上などを実現する。

 また、ルネサスは開発期間の短縮とBOM(部品表)コストの削減を図るため、R-Car Gen3eとルネサスの高精度タイミングIC、パワーマネジメント製品を組み合わせたルネサスのウィニング・コンビネーションを提供。更に、2D/3DクラスタHMI、ウェルカムアニメーション、リアビューカメラ、サラウンドビューなどのアプリケーション用リファレンスソフトウェアも提供することにより、新たなユーザに対しても開発効率の向上を実現する。

 ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部の統括部長である吉田直樹氏は次のように述べている。「AR(拡張現実)ナビゲーションやAIベースのドライバアシスタント機能など先進の機能に人気が高まる中、お客様は大型で高解像度のディスプレイや高性能システムに対するニーズと、BOMコストの上昇や開発期間の長期化といった課題とのバランスを取らなければなりません。ルネサスの新しいR-Car Gen3eとリファレンスソリューションは、従来製品との完全な互換性があるため、シームレスでコスト効率の良いアップグレードが可能となり、お客様の製品を早期に市場に投入できるようになると確信しています」

R-Car H3e、R-Car H3Ne、R-Car M3e、R-Car M3Ne、R-Car E3e、R-Car D3eの主な特長

  • R-Car H3e、R-Car M3e、R-Car M3Neは、CPUの最大動作周波数が2GHzに向上
  • Arm® Cortex® R7のリアルタイムコア搭載により、外付けの制御マイコンが不要となり、全体のBOMコストを削減可能
  • 高速起動、HMI、機能安全などのリファレンスソリューションによる開発期間の短縮
  • LinuxおよびAndroid OSの最新バージョンに対応したBSP(Board Support Package)を提供

R-Car Gen3e用リファレンスソリューションの主な特長

  • 2D/3DクラスタHMI、ウェルカムアニメーション、リアビューカメラ、サラウンドビューなど、より高度なアプリケーションを統合し評価済みのソフトウェアを提供
  • VirtIO(準仮想化)に対応することにより、既存のLinuxまたはAndroidアプリケーションを変更することなく、容易にリファレンスソリューションを追加することが可能
  • ASIL-Bシステムの安全性要件であるテルテール監視やカメラのフリーズ検出などのアプリケーションをサポート。セーフティアプリケーションをCortex R7のリアルタイムCPUで動作させることにより、ハイパーバイザ無しでもシステムの堅牢性を維持しながらハードウェアの分離が可能
  • ルネサスの車載エコシステムであるR-Carコンソーシアムには、システムインテグレータや、ミドルウェア/アプリケーション、OS/ツールベンダなど多数の有力パートナが参画しており、コネクテッドカーやADAS、ゲートウェイ市場向けに強力な開発サポート体制を提供できることから、開発期間を短縮可能

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