豊田自動織機:大府工場に「再生可能エネルギー熱利用空調システム」を導入

大府工場に設置した天空熱源ヒートポンプ(SSHP)実証装置
豊田自動織機は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「再生可能エネルギー熱利用※1にかかるコスト低減技術開発」事業の実証試験に協力し、同社大府工場に再エネ熱利用空調システムの実証設備を導入した。実証試験の開始にあたり、12月16日、NEDOをはじめとする本実証の関係者および大府市が出席、同工場にてお披露目式を開催した。

 今回の実証では、鹿島建設とゼネラルヒートポンプ工業がNEDO事業において開発した地中熱・太陽熱などの多様な再エネを集放熱源※2とする天空熱源ヒートポンプ※3(SSHP)システムを工場厚生棟に設置し、食堂内の空調および給湯に利用する。このうち空調においては、使用エネルギーの約30%がSSHPシステムでまかなわれる見込み。本実証はSSHPシステムとして初となる、実際の建物による使用環境下での実証であり、運転データを収集・解析してシステムの最適化を図り、実用化に向けた技術を確立することをねらいとしている。

 地中熱や太陽熱などの再エネ熱利用は、その大きな賦存量にもかかわらず、設備導入に必要なコストが大きく、普及の妨げになっている。豊田自動織機は、システム利用者の立場で保守・維持管理など運用面での課題を抽出することで、再エネ熱利用システムの導入コスト低減に貢献していく。
 また、豊田自動織機は生産活動におけるCO2排出量を2030年度までに2013年度比で50%削減することを目標に掲げており、空調設備のエネルギー使用量削減は課題のひとつ。本実証に参加し、地中熱や太陽熱などの再エネ熱利用の知見を得ることで、豊田自動織機グループでの再エネ利用を拡大し、さらなるCO2排出削減を目指す。

※1 冷暖房や給湯のための熱を得るために地中熱、太陽熱、雪氷熱などの再エネを用いること。
※2 「集放熱源」とは「集熱源」と「放熱源」を指す。本システムでは暖房時、太陽・空気中・地中から熱を集め空調用熱源として用い、冷房時は、冷房排熱で温まった熱源水ループの熱を空気中、地中に放熱する。
※3 多様な再エネ熱を熱源水ループで連結する水熱源ヒートポンプ。

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