「世界を熱狂させた“ミリオンダラーGT-R”の全て」これがBNR32最新最強スペックだ!

ドライカーボンボディをミッドナイトパープルIIIで包む

心臓部にはHKS最新のRB26改3.0L仕様を搭載!

2022年11月に開催されたSEMAの“TOYO TIRES”ブースで、一際注目を浴びていた一台のBNR32。製作したのは、GT-Rビルダーとしてその名を世界に轟かす“ガレージアクティブ”。2021年に続き、2年連続でSEMAへの車両出展を果たしたのである。ここでは、最新最強を謳うに相応しいスペックの中身に迫っていく。

エクステリアは、昨年のSEMAに持ち込んだBNR32と同様のドライカーボン製キットを投入。装着にあたっては、貼り付けなどの安易なインストール法ではなく、ルーフやリヤフェンダーなどモノコック一体の外板パーツまで全て取り外し、キット製品に置き換えるフルトレード式を採用。これにより、寸分の狂い・ゆがみのないカーボンボディを構築している。

ボディカラーは、深みのあるミッドナイトパープルIIIを採用。角度によって変わる色味だけでなく、カーボン地がさりげなく透けているのが非常にお洒落だ。もちろん、カーボン目を均一に透かす塗装は熟練の職人でも非常に神経を使う作業であることは言うまでもない。

一方のエンジンは、HKSが水面下で開発を進めていたRB26改3.0Lキットを軸にセットアップ。超極薄の87φピストンの採用により、RB26ブロックのままで84mmストロークを実現するという画期的なムービングパーツだ。

「これまではRB30ブロックを使うのが定番だったけど、やっぱり強度的限界は低い。ハイトも変えずにRB26ブロックベースで2996ccを実現するなんて凄いよね。今回はVカムも組み合わせて、ハイトルク仕様に仕上げてみました」とは、ガレージアクティブの坂本代表。

タービンには、HKSのラインナップで最大サイズとなるGT75115-BBをドッキング。まだ暫定セッティングではあるものの、ローブースト設定の1.75キロ時に931ps&79.5kgmを発揮。時間をかけて煮詰めれば1000ps&100kgmオーバーは確実だろう。

ホイールはガレージアクティブの最新作(2023年発売予定)をインストール。デザインは既存の“RC-VI”を踏襲するが、このニューモデルは何とセンターロック式を採用しているのだ。

「これは、ワイトレみたいな純正ハブに固定する“センターロック変換プレート”と組み合わせることを前提にした製品。PCD114.3の5Hであれば装着可能で、変換プレートの厚みは10mmだよ」とのこと。

ホイールサイズは12Jのスペシャルオフセットで、タイヤにはトーヨータイヤのプロクセスR888R(295/30−18)をマッチング。ブレーキはアクティブオリジナルのモノブロック仕様で、フロントが6ポット×355mmローター、リヤが4ポット×345mmローターとなる。

サスペンションはHKSのハイパーマックスR(F14kg/mm R12kg/mm)。各アーム類はTディメンド製の調整式が投入されている。

カーボンとアルカンターラのコントラストが眩しいインテリア。シートはドライバーズ&ナビ共にレカロのプロレーサーRMS 2600Aを投入。もちろん、ドライカーボン仕様となる。乗降性を妨げないロールケージは自社のボディファクトリーで製作したフル溶接留めのワンオフ品だ。エアコンもオリジナルの134aキットで近代化改修済みだ。

ミッションは6速シーケンシャルドグのOS-88。クラッチは4000馬力を許容する「MAX4000」シリーズのフルカーボンを奢る。

その完成度の高さから現地では『million dollar GT-R(100万ドルのGT-R)』と称されたほどなのだが、坂本代表は「実際に1億円以上の価値があるなんて思ってないよ!」と笑う。続けて「でも、それだけ評価されたことはビルダーとして素直に嬉しいよね」。

現在、ドライカーボンRは凱旋帰国に向けてアメリカで各種準備を進めている段階だ。船便での輸送となるため実現性は低いかもしれないが、間に合えば東京オートサロン2023のアクティブブースに展示する流れとなっている。世界を騒がす第二世代GT-Rの最新最強スペック、その勇姿をぜひ幕張の会場で見てみたいものだ。

●取材協力:ガレージアクティブ 福岡県行橋市大字今井1407-1 TEL:0930-25-4488

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【関連リンク】
ガレージアクティブ
http://www.g-active.co.jp

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